Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 郁夫 広島大学, 理学部・両生類研究施設, 助手 (10173973)
住田 正幸 広島大学, 理学部・両生類研究施設, 助手 (10163057)
大谷 浩己 広島大学, 理学部・両生類研究施設, 助手 (20106800)
奥本 均 広島大学, 理学部・両生類研究施設, 講師 (00033879)
上田 博晤 広島大学, 理学部・両生類研究施設, 助教授 (40033865)
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Research Abstract |
1.わが国に広く分布するニホンアカガエルの種分化の実態を知るため,本州各地から24集団のニホンアカガエルを集め,各集団間で生殖隔離の有無を調べるとともに,核型や酵素の分析を行なった。その結果,ニホンアカガエルは,東部と西部に分布するものが多少異なっており,両者間に明確な境界線があることがわかった。 2.日本産ツチガエルの35集団について系統を調べ,東日本と西日本とでかなり分化しており,更に性決定機構について東はZW型,西はXY型であることがわかった。このような分化は他に例がなく,極めて興味深い現象といえる。これに関しては,現在詳しく調査している。 3.日本産トノサマガエル群について,mtDNAを5種類の6塩基認識制限酵素BamHI,EcoRV,Hae II,Hind III,およびPst Iで切断し,切断地図を作成した。その結果,バンドの数がトノサマガエルは17,ダルマガエルは13,トウキョウダルマガエルは12であり,制限酵策断片の大きさから推定されるこれらmtDNAの大きさは18、5Kbase pairsであった。また切断地図から推定される塩基配列の差は,トノサマガエルとダルマガエルは60%,ダルマガエルとトウキョウダルマガエルは3.6%,トノサマガエルとトウキョウダルマガエルは2.5%であることがわかった。 4.Rana属8種10集団について,肝細胞および血液からゲノムDNAを抽出し,12種類の制限酵素で切断し,アガロ-ス電気泳動法で反復配列DNAの検出を行なったところ,BamHIの切断で得られた約570bpのbandが比較的明瞭で多くの種にみられた。そこで,これをクロ-ニングして塩基配列を決定し,サイト当りの塩基置換数をもとに非加重結合法によって系統樹を作成した。その結果,まずツチガエルが分岐し,残り7種はトノサマガエル群とアカガエル群に分かれ,トノサマガエル群は極東産とヨ-ロッパ産に分かれた。
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