1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01480048
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
仁藤 伸昌 佐賀大学, 農学部, 助教授 (80015809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷本 静史 佐賀大学, 農学部, 助教授 (20217152)
藤田 修二 佐賀大学, 農学部, 助教授 (90039339)
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Keywords | ミトコンドリアDNA / 葉緑体DNA / ミカン亜科植物 / 系統分類 / カルス |
Research Abstract |
ミカン亜科植物をミトコンドリアDNA(mtDNA)によって分類するために今年度はまずmtDNA及び葉緑体DNA(cpDNA)の抽出・精製条件について検討した。 mtDNAについてはウンシュウミカンの成葉及びカルスを材料とし、6種類の抽出方法につい検討した。その基本的操作は、まず材料を粉砕してろ過し、そのろ液を遠心して核や葉緑体を除去し、粗ミトコンドリア画分を得た。次に混入している可能性のある核DNAをDNaseにより分解して除去し、ミトコンドリアを精製した。このミトコンドリアの膜を溶解した後、フェノ-ル抽出によりタンパク質などを除去し、最後にエタノ-ルによりmtDNAを沈澱させて回収するという方法で行った。1g新鮮重当りのmtDNAの収量は成葉を材料に用いた場合0.03μg、カルスを材料に用いた場合0.13μgとカルスを材料に用いた場合の収量が高かった。 cpDNAも6種類の抽出方法について検討した。材料には5種のミカン亜科植物の成葉を用いた。cpDNAの抽出時には核DNAが大量に混入するため、DNase処理により核DNAを除去した。しかしDNase処理によりcpDNAも消化され収量は著しく減少した。DNase処理を行わない抽出方法として、核DNAを含むcpDNA標品を電気泳動した後、cpDNA画分をゲルから溶出して精製する方法を用いた。その結果、核DNAの混入の少ないcpDNAをウンシュウミカンの成葉1g新鮮重当り0.03μg得ることができた。 以上の結果得られたmtDNA及cpDNAを制限酵素で切断後電気泳動にかけたところ、Murraya属においてcpDNAでは制限酵素断片像を得ることができた。今後さらに大量にDNAを精製する方法を改良していく予定である。
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