1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01480059
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
吉永 長則 愛媛大学, 農学部, 教授 (20036289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松枝 直人 愛媛大学, 農学部, 助手 (90199753)
逸見 彰男 愛媛大学, 農学部, 助教授 (40093942)
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Keywords | フェリハイドライト / フェロキシハイト / 土壌遊離鉄 / 選択溶解 / 示差X線回折 / メスバウア-スペクトル |
Research Abstract |
1.土壌中のフェリハイドライトの検出:まずわが国の火山灰土約30個について酸性しゅう酸塩による分別溶解と示差X線回折の手段で検討した結果、フェリハイドライトが確実に同定されたのは僅かに2個であった。また、これら2個以外の、鉄含量の比較的低い5個の試料について、外国の研究者(Dr.Childs,Div.Land and Soil Sci.Res.、ニュ-ジランド)にメスバウア-分光法による分析を依頼した所、この鉱物の存在は推定はできるが、確認はできないという結果が得られた。これらのことから、この鉱物の検出限界は低いと推定されたので、鉄を濃縮するため微粒画分を分離して検討した結果、さらに幾つかの土壌に確実に同定された。しかし、この鉱物の分布を知るには、なおその検出限界を明らかにする必要がある。現在天然及び室内合成のものを用いて検討中であるが、予備実験によると、検出感度はかなり低く、その同定には少なくとも5%以上の存在が必要のように思われる。 2.分布:上記の検出感度を考慮に入れると、フェリハイドライトは含量の多少は別として、わが国の火山灰土にはかなり広く分布する可能性がある。また褐色森林土、赤黄色土、水田下層土にも、他の結晶鉄鉱物と共存して多少とも含まれる可能性がある。なお、土壌中での生成機構は合成実験によって検討できる見込みがある。 3.鉱物学的性格:現在室内合成条件と産物の種類(フェリハイドライト、フェロキシハイトおよび他の結晶鉱物)と結晶度との関係、及び“不純物"(主として珪素)の鉱物構造内での位置の確認をテ-マにしてX線回折と赤外線吸収ペクトル法で検討を進めている。予備実験によると、赤外吸収スペクトル法は鉄鉱物自体の検討にはあまり有効ではないが、適当な溶解試薬と組合せて示差法を用いれば、フェリハイドライトと他の結晶性鉄鉱物との分別検出は可能のように思われる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] N.Yoshinaga,C.W.Childs,N.Matsue and I.Higaki: "Investigation of the presence of ferrihydrite in Japanese soils by DXRD,Moessbauer spectroscopy,and chemical dissolution" Soil Science and Plant Nutrition.
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[Publications] N.Yoshinaga,C.W.Childs,and N.Matsue: "Synthesis of ferrihydrite and feroxihyte,in relation to their formation mechanism in soils" Soil Science and Plant Nutrition.
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[Publications] C.W.Childs,M.Matsue and T.Henmi: "Structure and thermal change of ferrihydrite" Australian Journal of Soil Science.
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[Publications] N.Yoshinaga,C.W.Childs,N.Matsue and I.Higaki: "Si in ferrihydrite:Is in the structure or adsorbed?" Clay Minerals.