1990 Fiscal Year Annual Research Report
水および酸味物質を甘くする新しい味覚修飾蛋白質の構造決定
Project/Area Number |
01480066
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
栗原 良枝 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (90017715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永瀬 茂 横浜国立大学, 教育学部, 助教授 (30134901)
麻生 武夫 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (40017736)
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Keywords | クルクリン / 甘味蛋白質 / 味覚修飾物質 |
Research Abstract |
1.本大学平塚農場では<Curuculigo latifolia>___ーが順調に育っている。土壌のpHおよび乾燥度が実をつけるための重要な鍵であることがわかった。さまざまな条件で検討した結果、現地産(マレ-シア)のものり大きく且つ活性が強い(クルクリン含量の高い)実が得られるようになり、本研究を進めるにあたって大変有利になった。 2.昨年度までのクルクリンの精製法はCMーセファロ-スカラムクロマトグラフィ-の後に、ゲルろ過カラムによるHPLCを用いたため、大量の試料の調製には不都合であった。そのため、本年度はHPLCを用いないセファデックスGー100による精製法を検討し、効率のよい方法を確立した。また、硫安分画の条件等を検討した。これらの結果、これまでと比べて遥かに高い収率でクルクリンを得ることができるようになった。 3.得られた精製クルクリンを用いてアミノ酸配列順序の決定を行った。クルクリンをlysyl endopeptidase,TLCKーchymotrypsin,V8ーprotease等を用いて断片化し、生成したペプチドを自動アミノ酸シ-クエンサ-により分析した。その結果、クルクリンは114箇のアミノ酸からなる一本鎖のポリペプチドであることが決定された。 4.クルクリンのアミノ酸配列順序決定の結果、クルクリンには29番、52番、77番および109番に4個のシステイン残基が含まれていることが明らかになった。これらのシステイン残基のどの位置でSーS結合が形成されているかを決定する実験を行った。サ-モリシン消化によって得られたペプチドの中から、シスチンを含むペプチドを単離した。このシスチンペプチドをアミノ酸分析、配列分析をした結果、77番のシステイン残基は分子間でSーS結合を形成していることが明らかになった。他のシステイン残基については現在検討中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H.Yamashita et al.: "Purification and complete amino acid sequence of a new type of sweet protein with tasteーmodifying activity,curculin" J.Biol.Chem.265. 15770-15775 (1990)
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[Publications] N.Takahashi et al.: "Structural Study of Asparagineーlinked Oligosaccharide Moiety of Tasteーmodifying protein,Miraculin" J.Biol.Chem.265. 7793-7798 (1990)
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[Publications] S.Theerasilp et al.: "Complete Amino Acid Sequence and Structure Characterization of Tasteーmodifying Protein,Miraculin" J.Biol.Chem.264. 6655-6659 (1989)
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[Publications] M.Meada et al.: "Studies on the Taste Modifiers.II.Purification and Structure Determination of Gymnemic Acid,Antisweet Principle from Gymnema sylvestre Leaves" Tetrahedron Lett.30. 1547-1550 (1989)
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[Publications] S.Theerasilp et al.: "Complete Purification and Characterization of the Tasteーmodifying Protein,Miraculin,from Miracle Fruit" J.Biol.Chem.263. 11536-11539 (1988)
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[Publications] S.Nakajo et al.: "A Quantitative Enzyme Immunoassy for Miraculin in Miracle Fruit" Chemical Senses. 13. 663-669 (1988)