1989 Fiscal Year Annual Research Report
振動法による立木材質の測定法の検討と立木材質を基準とする新しい間伐法の開発
Project/Area Number |
01480074
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大熊 幹章 東京大学, 農学部, 教授 (80011906)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山根 明臣 東京大学, 農学部付属演習林, 教授 (30182588)
有馬 孝礼 東京大学, 農学部, 助教授 (10144057)
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Keywords | 立木 / 樹幹 / 応力波 / 動的ヤング係数 / 丸太 / 製材品 / 木材利用 |
Research Abstract |
木材の材質を立木の状態で知ることができれば、木材の育成や利用を適正にコントロ-ルすることが可能となる。本年度は、樹木(立木)のヤング係数の測定方法、および立木時のヤング係数と伐倒した丸太・製材のヤング係数との関係、について研究をおこなった。次のような新たな知見が得られた。 1.樹木(立木)のヤング係数の測定方法 立木の樹幹に1m程の距離を隔てて2個の加速度計を木ねじで留め、樹幹を小ハンマ-で叩いたときに発生する応力波を2つの加速度計がキャッチする時間差から樹幹のヤング係数を計測する方法を採用し、その再現性等を検討した。加速度計の留め方、間隔、打撃位置、打撃部(樹幹に釘を打ち込みその頭を打撃する)、オシロスコ-プ上での時間差の読み取り法、等について詳細に検討し測定技術の確立に努めた。加速度計と打撃部の位置関係については同じ側と裏面にセットした場合で差が出てくることが判明した。これらの結果を総合して十分な再現性を持つ測定技術を確立した。 2.立木時のヤング係数と伐倒した丸太・製材のヤング係数との関係 実験の結果、両者には十分な相関は認められるものの、値としては立木の方が大きく算出される傾向があった。立木の自重の影響、測定部外(加速度計のスパン外)の材質の影響は認められなかった。比重の影響、水分の影響についてはさらに検討を進める予定である。なお、打撃位置と加速度計の位置との関係を仔細に検討し、さらに丸太とこれを太鼓挽きした場合の測定値に差がないこと等から応力波は材表面を回り込んで伝播するのではなく、最短距離を直線的に伝播することが明らかになった。
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