1989 Fiscal Year Annual Research Report
再生神経の成長・分化のメカニズムと細胞外マトリックスの役割
Project/Area Number |
01480111
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
井出 千束 岩手医科大学, 医学部・解剖学, 教授 (70010080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
似鳥 徹 岩手医科大学, 医学部・解剖学, 助手 (90128934)
牛木 辰男 岩手医科大学, 医学部・解剖学, 講師 (40184999)
遠山 稿二郎 岩手医科大学, 医学部・解剖学, 助教授 (10129033)
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Keywords | 神経再生 / パチニ小体 / モノクロ-ン抗体 / 基底膜 / 細胞外マトリックス |
Research Abstract |
パチニ小体は、中心に軸索終末、そのまわりに内棍細胞、さらに外棍細胞の厚い層がある。in situの凍結処理によってこれらの細胞成分を破壊しても、パチニ小体が再生することから、パチニ小体の細胞外成分には細胞分化に働く特殊な性質があると考えられる。 本研究の目的は、このようなパチニ小体、特に内棍の細胞外成分のモノクロ-ン抗体をとることである。ネコの腸間膜にあるパチニ小体を抗原として用いた。まわりの結合組織をできるだけ取り去って、50ー100個のパチニ小体をホモジェナイズして、一回量の抗原として用いた。十数回の実験を繰り返した結果、内棍成分が外棍成分に比べて極めて小さいこと、およびネコのパチニ小体では内棍細胞が密に重なって細胞間隙がほとんどないことなどから、当初目的とした内棍の細胞外物質のモノクロ-ン抗体をとることが困難であることが分かった。それに反して、外棍はかなり大きくかつ細胞間隙が広いため、モノクロ-ン抗体がとれやすく、今までに外棍細胞の細胞質と細胞外物質の両者についての抗体をとることができた。 まず細胞質に対する抗体は、分子量が約80Kdの抗原を認識するもので、免疫組織化学的に神経周膜、硬膜脂肪組織の細胞成分なども染色する。もうひとつの抗体は、分子量50Kdの抗原を認識するもので、外棍細胞の基底膜や細胞間の膠原線維の表面を染色するが一般結合組織の膠原線維や骨格筋・血管などの基底膜を染めない。また神経周膜の基底膜も染めない。しかし神経内膜、脂肪組織の細胞間物質、肝類洞壁、平滑筋のまわりの細胞外成分などを染める。現在これら2つの抗体の認識する抗原物質について、従来知られている物質と同一か否かを検索中である。
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Research Products
(1 results)