再生神経の成長・分化のメカニズムと細胞外マトリックスの役割ーモノクロ-ン抗体による組織化学的検索ー

1991 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 01480111
• Research Institution: Kobe University
• Principal Investigator: 井出 千束 神戸大学, 医学部, 教授 (70010080)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 藤本 悦子 神戸大学, 医学部, 助手 (00107947) ; 遠山 稿二郎 神戸大学, 医学部, 助教授 (10129033) ; 溝口 明 神戸大学, 医学部, 講師 (90181916) ; 三木 明徳 神戸大学, 医学部, 助教授 (20144561)
• Keywords: パチニ小体 / 内棍細胞 / 外棍細胞 / 細胞外基質 / 軸索終末 / モノクロ-ン抗体 / PC13 / PC92

Research Abstract

これまでに得られた2つの抗体は、(1)パチニ小体の外棍細胞の細胞質に局在する抗原物質を認識するもの(PC13)、(2)パチニ小体の外棍の細胞間物質、特に基底膜に局在する抗原物質を認識するもの(PC92)である。これらの抗体はマウスの腹水として得られたもので、腹水から抗体をできるだけ高い純度で取り出すことを試みた。また同時に神経組織をはじめとして他の組織における局在を調べた。
抗体の精製については、ハイブリド-マの生育が悪く腹水の量が十分に得られなかったために、純度の高い抗体として取り出すことができなかった。その後ハイブリド-マ細胞をマウスに植えて腹水の採取を試みているが、必ずしも細胞が増殖せず足踏み状態にある。
また他の組織における局在については、PC13はシュワン細胞以外に線維芽細胞やマクロファ-ジの細胞質をも染めることから、パチニ小体の外棍細胞に特異的とは言えないと考えられる。またPC92は一般の組織の基底膜と同時に、それに付随する結合組織成分をも染めることが分かった。従って、2つの抗体の組織特異性は未だ決めかねるところである。

Research Products

• [Publications] E.Fujimoto,A.Miki and C.Ide: "Regenerating axons in basal lamina tubes of nonーneural tissue" Biomedical Research. 13. 59-68 (1992)
• [Publications] K.Tajima,K.Tohyama,C.Ide and M.Abe: "Regeneration through nerve allografts in the cynomolgus monkey(Macaca fascicularis)" Journal of Bone and Joint Surgery. 73. 172-185 (1991)
• [Publications] 井出 千束,三木 明徳,戸祭 正喜,岡島 誠一郎,溝口 明,舛谷 元丸,川北 直人,藤本 悦子,荒川 昌彦: "末梢神経再生の研究" 神経精神薬理. 13. 935-944 (1991)
• [Publications] 井出 千束: "神経の再生" 神経科学レビュ-. 6. (1992)