1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01480207
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
廣畑 富雄 九州大学, 医学部, 教授 (50102075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 恵太郎 九州大学, 医学部, 助手 (50217022)
清原 千香子 九州大学, 医学部, 助手 (00169963)
徳永 章二 九州大学, 医学部, 助手 (50227584)
廣田 良夫 九州大学, 医学部, 助教授 (20080624)
加美山 茂利 秋田大学, 医学部, 教授 (80004547)
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Keywords | 疫学調査 / 地域差 / 横断研究 / 成人病 / 胃がん / 脳血管疾患 / 食生活 / 陰膳方式 |
Research Abstract |
本研究は、食生活の地域差をもとにした成人病予防に関する研究である。成人病、特に胃がん、脳血管疾患の高率な青森、秋田、非常に低率な沖縄、鹿児島、中間的な値を示す福岡の各県において、食生活の地域差を検討し、それをもとにリスク要因を同定し、一次予防に役立てようとするものである。 本研究は3年間の計画であるが、本年度は、初年度と2年度に約2万2000人を対象に調査表方式で行った食生活調査の解析を完了した。また調査表の信頼性を検討するため、福岡の3保健所の一般住民、約400名につき、1年間の間隔を置いて再調査し、再現性を検討した。さらに各地域より約100名を選び、24時間の食事を収集し(陰膳方式)、栄養素の測定を行った。 主要な解析結果を示すと、調査表方式による食生活調査では、20の食品(群)の大部分の摂取量は地域差が少なく、近似した値を示した。しかし塩魚、長期保存の漬物などの高塩食品の摂取量に大差があり、高リスク地域では最低リスク地域に較べ約10倍の摂取量を示した。逆に緑黄色野菜摂取量はやや高リスク地域で少なかった。本調査結果では、食塩摂取量が、ことに胃がんについては高塩食品中の食塩摂取量が、リスク要因として最も重要である事が示された。 再現性の調査では、1年間の間隔があったにも拘らず、平均摂取量はよく一致し、20の食品群中、16品目では平均摂取量の差は15%以内にとどまった。 陰膳方式による食品中の栄養素の実測結果では、脂質、蛋白質、炭水化物、エネルギ-量には地域間の関連は見出せなかった。しかし食塩摂取量については大差があり、高リスク地域の摂取量が非常に多く、調査表方式の場合と同様に食塩摂取のリスク要因としての重要性が示された。
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[Publications] 廣畑 富雄: "食生活と胃がんに関する5大学共同研究" 日本衛生学雑誌. 46. 589 (1991)
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[Publications] 廣畑 富雄: "福岡県民のライフスタイルについて" 癌の臨床. 33. (1992)
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[Publications] 廣畑 富雄: "食習慣などライフスタイルに関する調査票の再現性について" 日本衛生学雑誌. (1992)
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[Publications] 廣畑 富雄: "福岡県民のライフスタイルー飲酒、喫煙、食生活、がん検診などー" 日本衛生学雑誌.
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[Publications] 廣畑 富雄: "食生活と胃がん及び脳血管疾患に関する横断的研究" 日本衛生学会誌.
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[Publications] 廣畑 富雄: "調査票による食生活等の再現性に関する研究" 日本衛生学雑誌.