1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01480252
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
香取 瞭 近畿大学, 医学部, 教授 (40088521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪木 達 近畿大学, 医学部, 助手 (60213188)
宮崎 俊夫 近畿大学, 医学部, 講師 (10209893)
坂口 好秀 近畿大学, 医学部, 講師 (10215626)
清水 稔 近畿大学, 医学部, 講師 (20178990)
森下 昌亮 近畿大学, 医学部, 講師 (00191023)
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Keywords | 冠動脈閉塞 / 心筋梗塞 / NMR / 心エコ-図 / ATP / Stunned myocardium / 心筋血流量 / ウロキナ-ゼ |
Research Abstract |
1.意識犬を用いた冠動脈閉塞再開通実験を行い、カラ-マイクロスフェア-を用いた心筋血流量の測定、ソナ-クリスタルによる心筋収縮、拡張能の測定を15頭で行った。 2.犬を用いた開胸実験で冠動脈左前下行枝の15分の閉塞を行い、開放後2時間までのStunned myocardiumの回復過程を局所心筋収縮能、局所心筋血流量、陽性変力負荷による左室機能を検討し、Stunned myocardiumには冠副血行量が最も影響することを明らかにした。 3.NMRによる心筋代謝の研究:家兎心を摘出し、ランゲンドルフ法で潅流、15分の虚血を加えた後の心筋代謝をNMRを用いて測定、心内圧や心拍数などと対比した。メチルプレドニソロンは冠閉塞30分前に投与すると再潅流傷害を著明に抑制するが、再潅流時投与では異った反応を示した。 4.急性心筋梗塞患者で、発症6時間以内の症例にウロキナ-ゼを冠動脈ないし末梢静脈に注入し、2Dエコ-で再潅流に伴う心機能の変化を経時的に観察した。ウロキナ-ゼ療法を行った者あるいは再開通がえられた者では、発症2〜4日での心室壁の拡張、壁の菲薄化が抑制されて、心機能は改善した。また、スワンガンツ・カシ-タ-により、発症初期(1〜3日)の血行動態を観察すると、血栓溶解療法を行った者では、行わない者にくらべて発症日には心拍出量の有意な増加がみられるが、その後には差がみられなくなり、再潅流障害が心機能の維持に複雑な影響を及ぼしていることが判明した。
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[Publications] T.Miyazaki,Y.Hirano,T.Yamamoto,K.Yamashita,M.Ohno,H.Kawabata,K.Ishikawa,R.Katori: "Hyperkinesia of nonーinfarcted myocardium with isoproterenol infusion can cause STーsegment elevation in previous myocardial infarction" Journal of the American College of Cardiology. 15. Suppl A 228 A (1990)
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[Publications] 清水 稔: "心筋梗塞の急性期における心電図ST上昇の経時変化とその臨床的意義" 近畿大医誌. 15. 357-379 (1990)
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[Publications] R.Katori,T.Miyazaki,M.Ohno,Y.Sakaguchi,Y.Hirano,T.Yamamoto,H.Takai,K.Ishikawa: "Isoproterenolーinduced STーsegment elevation correlates to ventricular wall motion abnormalities in myocardial infarction" European Heart Journal. 11. abst Suppl,291 (1990)
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[Publications] 石川 欽司,小川 厳,清水 稔,小菓 裕成,鎌田 勲昭,大里 修一郎,香取 瞭,橋本 重夫,大場 康寛: "冠再潅流時の実験的残存狭窄の心筋salvageに及ぼす影響" 近畿大医誌. 15. 1-3 (1990)
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[Publications] 平野 豊,森下 昌亮,金政 健,土生 裕史,内藤 武夫,井川 寛,石川 欽司,香取 瞭: "心筋梗塞後の梗塞部expausionと壁菲薄化に対する血栓溶解療法の解果" 日本超音波医学会講演論文集. 57. 247-248 (1990)
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[Publications] 松田 泰次: "胃癌におけるlamininの免疫組織学的検討ー組織型および転移とlamininとの関連ー" 日本消化器外科学会雑誌. 22. 2778-2783 (1990)
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[Publications] 松田 泰次: "大腸癌肝転移予測からみたラミニンの免疫組織学的研究" 日本消化器外科学会雑誌. 24. 187-193 (1991)
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[Publications] 安富 正幸・松田 泰次: "新外科学大系ー結腸癌" 中山書店, (1991)