1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01480274
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小塚 隆弘 大阪大学, 医学部, 教授 (40028478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜田 星紀 大阪大学, 医学部, 助手 (80198803)
原田 貢司 大阪大学, 医学部, 助手 (70156503)
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Keywords | 磁気共鳴画像 / 動脈硬化 / 造影剤 / 家兎 / 金属ポルフィリン |
Research Abstract |
1.目的:Mn-TPPS4の正常大動脈壁及び動脈硬化斑への集積性を、17羽の雄NZW系家兎で検討した。 2.方法:MRIシステムはGE CSI2Tを用い、内径15cmの円筒型rfコイルを使用した。撮像部位は、上行大動脈より近位下行大動脈とした。撮像条件は機械的収縮期ECG同期SE法を用い、TE=11msec、FOV=15cm、スライス厚=3mm、積算回数=8、マトリックスは、256×256とした。 (1)正常大動脈壁の検討 9羽の単純MR撮像後5羽に0.25mmol/kgのMn-TPPS4を2.0ml/min.の速度で経耳静脈投与し、48時間後に再撮像を行った。その直後に動物を屠殺し、大動脈内面を肉眼的に観察した。 (2)動脈硬化斑の検討 8羽の動物に2%コレステロ-ル添加飼料を7ー8週間与え、実験的動脈硬化斑を作製した。MR撮像及び肉眼観察は上記に従った。 3.結果及び考察: (1)正常大動脈壁 大動脈壁は、0.25mmol/kg以上のMn-TPPS4を静注48時間後のMRIでのみ認められた。また肉眼的観察によっても、大動脈壁内面の黒褐色変色が認められた。これらは、Mn-TPPS4の選択的集積性を示すものと考えられる。大動脈壁を描出し得たことは、定量的診断に有用と考えられる。 (2)動脈硬化斑 造影前に比して、大動脈壁及び壁肥厚が疑われる部位の造影・描出効果が、MRI上で認められた。肉眼的観察上全例の大動脈表面は上行大動脈から、弓部に動脈硬化病変を示し、ほとんどの病変部位は、MRI上描出された壁肥厚部位に一致した。投与群の大動脈壁内面非病変部に黒褐色変色が認められたのに比し、病変部の変色は軽度であった。急性心臓毒性は、0.25mmol/kg投与群で3羽に認められた。壁肥厚部位を描出し得たことは、大動脈病変の評価に有用と考えられる。
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[Publications] 小塚隆弘: "MRIと動脈硬化" 現代医療. 21. 2947-2950 (1989)
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[Publications] 金尚元: "Mn-TPPS4i家兎大動脈壁への集積性を示したMR造影剤" 日本医学放射線学会雑誌. 50. 192-194 (1990)
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[Publications] 金尚元: "家兎を用いたMRIによる動脈硬化、特にその早期病変の画像化" 大阪大学医学雑誌. (1990)