1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01480274
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小塚 隆弘 大阪大学, 医学部, 教授 (40028478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 貢司 大阪大学, 医学部, 講師 (70156503)
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Keywords | 磁気共鳴画像診断法 / 誘導プラズマ発光法 / 造影剤 / 金属ポルフィリン化合物 / 大動脈粥状硬化 |
Research Abstract |
目的: 金属ポルフィリン化合物(MnーTPPS4、MnーTCCP)の病変部および非病変部の集積率を、誘導プラズマ発光法(Inductively coupled plasma atomicemission spectroscopy;ICP)法により定量的に検討した。 方法: 1)実験的動脈硬化病変モデルおよびMR撮像は、それぞれコレステロ-ル食事誘導、GE CSI 4.7Tを用い、前年度に準じた方法で作成、撮像を行った。 2)撮像後の非病変部および病変部をていねいにそれぞれ分離し、加熱濃硝酸にて溶融後加熱乾固させ、これらを希硝酸にて融解後Mn濃度をICP(SPSー1200A、セイコ-電子工業社製)法にて測定した。 結果: 1)MR画像:投与群においては、非病変部では、MnーTPPS4および、MnーTCCPともにほぼ同等の有意な信号強度増加を認めた。動脈硬化斑では、若干の信号強度の増加を認めたが、非投与群と投与群間の有意差は認められなかった。 2)組織内Mn濃度:非投与群では、Mnは検出されなかった。MnーTPPS4およびMnーTCPPの投与群では、病変部および非病変部で、ほぼ同比率のMnを検出した。 考察: 病変部に常磁性金属が分布しているのに信号強度が増加していないことが、明らかになった。常磁性金属が組織の信号強度を増加させるためには、多量の自由水を必要とする。したがって、今回の実験系で用いた金属ポルフィリンの病変部内分布は、このような自由水の存在が少ないと考えられる空間、すなわち、細胞外空間であったと考えられる。いいかえれば、病変部の信号強度を増加させるためには、細胞内空間に分布すべきことが明らかになった。 結論: 1)MR画像とICP法を組み合わせて、目的とする化合物のスクリ-ニング法が確立した。 2)目的とする化合物の有すべき条件、すなわち細胞内空間に分布すべきことが明らかになった。
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[Publications] 金 尚元: "家兎を用いたMRIによる動脈硬化、特にその早期病変の画像化" 大阪大学医学雑誌. 42. 257-265 (1990)
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[Publications] 金 尚元、小塚 隆弘: "MnーTPPS4;家兎大動脈壁への集積性を示したMR造影剤" 日本医学放射線学会雑誌. 50. 192-194 (1990)
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[Publications] 小塚 隆弘、金 尚元: "MRIと動脈硬化症" 現代医療. 21. 2947-2950 (1989)