1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01480314
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
土肥 雪彦 広島大学, 医学部・外科学第二, 教授 (90034024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅原 利正 広島大学, 医学部・外科学第二, 助手 (70175850)
福田 康彦 広島大学, 医学部・外科学第二, 講師 (40093801)
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Keywords | 生体部分肝移植 / 異所性肝移植 |
Research Abstract |
生体よりの安全確実な摘出法を開発するため、先ず豚の全肝を摘出、生食等にて潅流した後、メルコックスを用いて豚全肝の脈管の鋳型を作成する実験を行なった。これらの結果から、それぞれの肝静脈が下大静脈に合流する部において、この頚部が短かく、肝静脈は殆んどが肝実質内に埋もれていること、短肝静脈が無数にあるなどヒト肝との相違がみられるが、豚肝はかなりヒト肝に似ていることが判った。 従って先ず全肝を摘出しこれを体外(bench surgery)にて左側葉のみ分離した。肝内部で左肝動脈は容易に分離できるが門脈と胆管は肝実質を割らなければ不可能であり、これをin situで行なうにはかなりの時間と高度な技術が必要であることが判った。 現在、体外で分離した左側部分肝をrecipient肝をそのままにして肝下部に異所性に移植している。初期の症例では門脈血栓、肝動脈血栓、肝静脈ー下大静脈の屈曲による血流障害、肝切離断面よりの出血などが問題となっていたが、これらに対してグラフトの肝動脈、門脈を長くとること、肝切離断面のていねいな止血、グラフトの位置など工夫することにより手技が安定し急性期の重篤な合併症は激減した。recipientの肝への門脈を結集して異所性の部分肝グラフトへのみ門脈血流を維持した症例を2週目で犠牲死させ剖検したみたが、グラフトの色調はよく、肝動脈、門脈とも血流はよく保たれており移植肝は機能していた。これらのうちで最長5週目で生存中のものがいる。 なお潅流液は現在UW液を使用しているが、これが他のECF、コリンズ液と比較してより術後の肝機能が安定しており生化学的デ-タなど良好な結果が出ている。
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Research Products
(2 results)