1989 Fiscal Year Annual Research Report
肝切除術の手術適応に関する肝予備能評価法の確立に関する研究
Project/Area Number |
01480323
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
鬼束 惇義 岐阜大学, 医学部, 助教授 (00092924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾関 豊 岐阜大学, 医学部附属病院, 助手 (40185591)
日野 晃紹 岐阜大学, 医学部附属病院, 助手 (60189793)
林 勝知 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (80144020)
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Keywords | 肝予備能 / 肝切除 / 肝硬変症 / MRI / 31P-NMR |
Research Abstract |
全身用MRI装置Signa(静磁場強度1.5T)および31P用surface coilを用いてヒト31P-MRSの測定を行った。測定条件は、共鳴周波数24MHZ、パルス幅20msec、パルス繰り返し時間1000msec、積算回数200回とした。正常肝と判断された症例について、MRI像を参考にして測定部位をDRESS法にて決定し、測定深度50-60mm、測定幅30-40mmでおこなった。これらの症例において肝固有のスペクトルPM、Pi、γ-ATP、α-ATP、β-ATPのピ-クの観測が可能であった。一部の症例においてはpcrも観測されたが、6個のピ-クが観測されたことにより、全身用MRI装置を用いてのヒト肝31P-MRSによる高エネルギ-燐酸化合物の測定が可能であることが判明した。つぎに術前に肝硬変と診断された症例について、同様な方法を用いて31P-MRSを施行した。正常肝症例の場合と同様に6個のピ-クが観測され、α-ATP、β-ATP、γ-ATPは正常肝症例と差は認められなかった。しかし、正常肝症例に比しPM、Piのピ-クが高く認められた。これをPM/β-ATP比で表わすと正常肝症例では0.67±0.16、肝硬変症例では1.06±0.21と肝硬変症例で有意に高値を示した。Pi/β-ATP比は正常肝症例では0.90±0.33、肝硬変症例では1.12±0.36と、有意差は無いが肝硬変症例で高値を示した。これにより硬変肝では正常肝と異なった高エネルギ-燐酸化合物の動態を示すことが判明し、肝硬変患者の肝予備能を評価するうえで全身用MRI装置による31P-NMRが有用であることが示唆された。
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Research Products
(1 results)