1991 Fiscal Year Annual Research Report
インプラントヒ-ティングシステムによる脳腫瘍組織内温熱療法の基礎的及び臨床的研究
Project/Area Number |
01480353
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤内 祝 名古屋大学, 医学部, 講師 (50172127)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雨宮 好文 千葉工業大学, 工学部, 教授 (50023221)
松井 正顕 名古屋大学, 工学部, 教授 (90013531)
口脇 博治 名古屋大学, 医学部, 講師 (60135340)
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Keywords | インプラントヒ-ティングシステム / 組織内温熱療法 / 発熱磁性体 / キュリ-温度 / 高周波磁場 / 脳腫瘍 / 口腔腫瘍 / ヒ-トショックプロティン |
Research Abstract |
臨床的に温熱療法を施行する場合で問題とされている温熱耐性については、インプラントヒ-ティングシステム(IHS)を用いた温熱療法の場合も同様であることより、heat shock proteins(hsp)の細胞内局在の変化をHela細胞で検討した。その結果、hsp70の核および核小体への移行は41〜45℃の各温度で速やかに起きており、また41℃では移行したhsp70が加温中に再び細胞質へ戻ることが半明した(小林、藤内)。 IHSの経時的な病理組織学的変化を検討するため、家兎VXー7移植舌癌において検討した。その結果、IHSを30分、1回加温では、壊死組織領域はインプラント針を中心とした同心円状にはならず、中枢側に狭く、末梢側に広い楕円状を呈し、境界部は不規則な形状を示した。この結果の原因として血流よるcooling効果が考えられた。また腫瘍細胞は血管を中心に残存しやすく、5日目以降では血管周囲で活発な結節状増殖が認められた。これらのことより、腫瘍組織が大きくなれば複数本のインプラント針が必要になるが、その治療効果は腫瘍組織の血管構築に大きく影響される。従ってそれらを考慮してインプラント針を配列する必要があると考えられた(小林、松井、藤内)。 すでに脳腫瘍についてIHSの臨床応用を施行してきたが、以上の結果を踏まえてさらに脳腫瘍の症例を追加し、また口腔腫瘍についても臨床応用を試みた。脳腫瘍ではIHS60分、週2回、放射線療法(外照射)の併用でGlioma13例、転移性脳腫瘍5例、その他5例の計23例であり、口腔腫瘍ではIHS45分、週2回、放射線療法もしくは化学療法(CDDP,PEP)の併用で舌癌7例、口腔底癌2例、歯肉癌2例、口唇癌1例の計13例である。治療効果は脳腫瘍ではCR3例、PR5例、MR4例、ST3例、PD8例、口腔腫瘍ではCR9例、PR4例ときわめて有効であった(小林、藤内)。
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[Publications] 藤内 祝 他: "頭頚部癌に対する発熱磁性体を用いたImplant Heating systemの効果と適応について" 頭頚部腫瘍. 17. 156-161 (1991)
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[Publications] Tastuya Kobayashi: "Interstitial hyperthermia of malignant brain tumor by implant heating system:clinical experience" J.NeuroーOncology. 10. 153-163 (1991)
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[Publications] Yasushi Hayashi: "Translocation of hspー70 and Protein Synthesis during Continuous Heating at Mild Temperatures in HeLa Cells" Radiation Research. 125. 80-88 (1991)
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[Publications] 後藤 康之: "口腔悪性腫瘍に対するImplant Heating Systemを用いた組織内温熱療法の実験的研究" 口腔科学会雑誌. 40. 778-788 (1991)