1989 Fiscal Year Annual Research Report
子宮頚癌のヒトパピロ-マウイルスによる発癌機構の解明
Project/Area Number |
01480388
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
高見沢 裕吉 千葉大学, 医学部, 教授 (60009107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
布山 隆史 千葉大学, 医学部附属病院, 医員
白澤 浩 日本学術振興会, 特別研究員(がん) (00216194)
岩崎 秀昭 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (60124244)
関谷 宗英 千葉大学, 医学部, 助教授 (00092065)
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Keywords | ヒトパピロ-マウイルス(HPV) / 子宮頚癌 / 子宮頚部異型上皮 / 組み込み / 遺伝子増幅 / Iow stringent |
Research Abstract |
子宮頚癌の発癌にパピロ-マウイルスが関与するか否かを明らかにするために、臨床ならびに基礎の両サイドから検討を行った。 前癌病変である異型上皮におけるHPVゲノムの検出率を、Iow strin-gent条件のサザンブロットにより再検討した結果、39/47(83%)であった。従って、従来のhigh stringent条件による検索(検出率約50%)に比べ、HPVが高率に存在することが明かとなった。型別の検出率は、16型11/47(23%)、31型9/47(19%)33型2/47(4%)、52型3/47(6%),未知の型14/47(29%)であり、従来考えられていた以上に型の多様性があり、欧米とは異なる型分布が本邦では、存在することが明かとなった。各症例の予後については現在追跡中である。 一方、子宮頚癌では、宿主染色体に組み込まれたウイルスゲノムの存在することが知られている。このウイルスゲノムの構造と発現を検討するために、子宮頚癌由来細胞株DNAに組み込まれたHPV16ゲノムをクロ-ニングした。このウイルスゲノムは、E2領域が分断されて組み込まれており主としてE6、E7領域がmRNAレベルで発現していた。また、この単量体のウイルスゲノムは、隣接する宿主DNAと共に増幅していることが明かとなった。この隣接する宿主DNAの領域には、既知の癌遺伝子等は、見いだされなかった。今後、このクロ-ニングしたウイルスゲノムと宿主DNAのインビトロでの活性を検討する予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] H.Shirasawa,Y.Tomita,A.Fuse,T.Yamamoto,H.Tanzawa,S.Sekiya,H.Takamizawa and B.Shimizu: "Structure and expression of an integrated human papillomavirus type16 genome amplified in a cervical carcinoma cell line" J.of general Virology. 70. 1913-1919 (1989)
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[Publications] 白澤浩,岩崎秀昭,高見沢裕吉: "HPVの発癌因子としての可能性" 日本婦人科病理・コルポスコピ-学会雑誌. 7. 56-67 (1989)
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[Publications] 角田治美,白澤裕,岩崎秀昭,深澤一雄,久保田浩一,河西十九三,稲葉憲之,高見沢裕吉,清水文七: "子宮頚部前癌病変におけるヒトパピロ-マウイルスのlow stringent hybridizationによる検察" 医学のあゆみ. 152. 119-120 (1990)