1989 Fiscal Year Annual Research Report
Self Etching Dentin Bonding Agentに関する研究
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01480439
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小松 正志 東北大学, 歯学部, 助教授 (10005069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
涌井 オーロラ 東北大学, 歯学部, 助手 (40133996)
兼平 正史 東北大学, 歯学部附属病院, 助手 (30177539)
笹崎 弘己 東北大学, 歯学部附属病院, 講師 (90133991)
奥田 礼一 東北大学, 歯学部, 教授 (80005024)
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Keywords | セルフエッチング / ボンディングエイジェント / コンポジットレジン / 象牙質接着強さ / スメア-層 / HEMA / EDTA / MMA-TBB系レジン |
Research Abstract |
コンポジットレジンの象牙質に対する接着力の強度は、象牙質壁に対する接合状態を改善するために不可欠であると考えられている。強大な接着力を得るためには、脱灰液などによるスメア-層除去を含む象牙質の前処理とすぐれた接合材の開発が重要であると考えられる。本研究では、スメア-層の除去効果とコンポジットレジンとの接着効果を兼ねたSelf Etching Dentin Bonding Agent(以下SEDBA)を試作し、コンポジットレジンの象牙質に対する接着強さの改善効果を検討した。 1.接着試験に影響を与える諸因子 3%Glutaraldehyde、1%FeCl_3含有0.3M EDTA(以下0.3M EDTA3ー1)溶液処理後、接合材としてMMA-TBB系レジンを用いることにより176.3kgf/cm^2の接着強さを得ているが、測定値にバラツキがみられたことから、接着力に影響を及ぼす諸因子を分析した。その結果次述の事項を明らかにした。1)本度合法によりコンポジットレジンはエポキシ樹脂包埋、非包埋いずれも牛歯象牙質に対しても極めて大きな接着強さを示した。2)被着象牙質面を乾燥したり、樹脂包埋したり、再使用したりすると接着強さそのものや、最適処理条件が変化するため、試験には湿潤非包埋歯を用いるのが望ましい(日歯保誌32巻、899〜909頁、1989年公表)。3)接着強さは石灰化の程度、歯種、樹脂包埋の有無、抜去歯の保管状況等により影響を受けるため、成牛のI_1I_2のみを非包埋で用い、抜歯後12時間以内に試験を行うのが望ましい(International Congress on Dental Materials、Nov.4、1989、USAにて発表)。 2.各種SEDBAの接着強さ改善効果 各種SEDBAを用いた場合の引張り接着強さを測定し次の結果を得た。1)0.3M EDTAに18、35、50%HEMAを加えたSEDBAの牛新鮮抜去歯I_1I_2象牙質に対する24時間後の接着強さは166.9、133.1、107.8kgf/cm^2と大きかった。2)40%コハク酸3-1水溶液処理後の接着強さは62.4kgf/cm^2、10%コハク酸3-1に50%HEMAを添加したSEDBA処理後の接着強さは48.0kgf/cm^2であった。3)2Mピルビン酸3-1に50%HEMA添加SEDBA処理後の接着強さは114.2kgf/cm^2であった。4)10%クエン酸3-1に18%HEMA添加SEDBA処理後の接着強さは、80.6kgf/cm^2であった。5)35%リン酸5-1にHEMA添加SEDBAによる処理では大きな接着力は得られなかった。 今後は更に試料数を増やすとともに、更に大きな接着強さを発揮できる処理液を試作し、接着強さを測定するとともに、最良SEDBAの象牙質に対する適合状態等も観察してゆく予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 工藤義之: "象牙質に対するMMA-TBBレジンの接着強さ 第2報Fecl_3,GA,EDTA溶液による前処理効果補遺" 日本歯科保存学雑誌. 32. 899-909 (1989)
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[Publications] 小松正志: "各種Self Etching Dentin Bonding Agentの接着強さの改善に関する研究" 日本歯科保存学雑誌.