1990 Fiscal Year Annual Research Report
歯周疾患における抗原抗体反応,組織破壊機序と歯周治療による修復の解明
Project/Area Number |
01480443
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
松江 一郎 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (00050021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐久本 愛子 日本大学, 松戸歯学部, 副手 (30215678)
田原 洋 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (90197591)
小方 頼昌 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (90204065)
山口 進也 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (90158105)
松江 美代子 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (70165265)
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Keywords | 歯周疾患 / 病態像 / 歯肉溝浸出液 / 抗体価 / 疾患の活動期 / 歯根膜細胞 |
Research Abstract |
歯周疾患は部位特異性が認められる病態像を示し、病変の進行も活動期、静止期を繰り返す特徴を持つ。そのため、臨床的な見知からだけでなく、生化学的、細菌学的、病理組織学的な測定により、活動期を予測できれば非常に有用である。そこで、まず若年者の歯周疾患患者より、歯肉溝浸出液を採取し、歯周病関連菌に対するIgGおよびIgA抗体価、ポケット内細菌の検索の結果と臨床所見および形態学的特徴の比較を行った。しかし、若年者に歯周疾患を惹起すると思われるような特徴的な所見は得られなかった。次に、32才から45才までの高度進行性歯周炎患者のポケット内細菌の検索、歯肉溝浸出液中の成分の生化学的検索を行ったところ、歯周処置後に再発傾向を示す部位ではILー1、βーグルクロニダ-ゼなどの値に上昇傾向が認められることが判明した。成人型歯周炎患者の歯肉溝浸出液中のIgG量を検索した結果、疾患の活動期と平行して、IgG量の増加が認められた。このIgG量の増加が歯周病関連菌に対する特異的なものなのか、ポリクロ-ナルβ細胞活性化によるものなのかは、現在検討中である。実験動物(犬)に慢性歯周疾患を惹起させ、その際の組織破壊の機序と修復機構を観察し、どのようなパラメ-タ-の変化が局所の病態像を反映しているかを検索するため、現在実験を継続中である。歯肉溝浸出液中の成分として、アルカリホスファタ-ゼ、βーグルクロニダ-ゼ,コラゲナ-ゼ,プロスタグランディンE_2の測定を、またそれに加えて、病理組織学的検索を行う予定である。組織修復機構に関する研究としては、歯根膜細胞,歯槽骨由来細胞,歯肉線維芽細胞の培養を行い、それぞれの細胞の性質を調べるとともに、骨、象牙質、セメント質中のタンパク質に対する走化性の検索を行った。その結果、歯根膜細胞が高いアルカリホスファタ-ゼ活性を有し、骨および歯根表面へ高い走化能を持つことが判明した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 松江 美代子: "若年者における歯周炎の病態像とその原因論的考察" 日本歯周病学会会誌. 32. 275-288 (1990)
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[Publications] 増永 浩: "高度進行性歯周炎の臨床的・細菌学的考察" 日本歯周病学会会誌. 32. 261-274 (1990)
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[Publications] 小方 頼昌: "若年者における歯周炎の細菌学的検索と局所応答について" 日本歯周病学会会誌. 32. 907-917 (1990)
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[Publications] 小方 頼昌: "口蓋粘膜の創傷治癒におけるキチン膜の効果" 日本歯周病学会会誌. 33. (1991)