1989 Fiscal Year Annual Research Report
顎、顔面領域の計量画像診断に関するX線解剖学的研究
Project/Area Number |
01480463
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
佐々木 武仁 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (90013896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 二久 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (70095107)
一條 尚 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (20013807)
誉田 栄一 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (30192321)
佐々木 武仁 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (90013896)
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Keywords | CTスキャン / 偽画像効果 / 容積効果 / 上顎洞内腔 / 骨皮質 / 粘膜厚さ |
Research Abstract |
本年度はヒト屍体頭部13例を用いて、2次元的解析における解剖学的構造のCT画像上の計測値とX線規格撮影写真からの計測値を比較検討した。対象は上顎洞の幅、高さ、奥行き、下顎骨下縁皮質の厚さ、口蓋粘膜の厚さとした。粘膜厚さは針を用いて種々の部位を実測した。CT撮影は咬合平面(A-M面)に平行な水平断、それに直交する前頭断及び矢状断とし、X線規格撮影は正面及び正中矢状断で2分割した頭部の側面像を撮影した。 上顎洞内腔の左右巾の最大値は例えば、水平断で21.1mm、前頭断で20.8mm、正面規格撮影で25.0mmとCT像の方の値が小さかった。上顎洞高さは前頭断及び矢状断の両方から得られ、いずれも側面規格撮影から得られた値より小さかった。上顎洞奥行きの値も同様に計測するとCTからの値が規格撮影の値より小さかった。下顎骨皮質の厚さを、前頭断、矢状断CTから計測し、側面及び正面規格撮影の値と比較すると、やはりCT像からの値が約20%大きかった。口蓋粘膜の厚さは、厚さ3mm以上の部位ではCT像からの値と実測値は良く一致したが、それ以下の厚さではCT画像の方が小さい値を示した。 以上の結果、空気を含む内腔はCT画像では小さい値を示し、骨皮質は容積効果のため大きい値を示すことが明らかとなった。骨に密着した軟組織厚さは、ある値以上のものはCT像で真の値を示すが、それ以下の場合には実際の値より、小さい値を示す。しかしこの値は密接する骨の厚さや密度に依存すると考えられ、今後検討を要する。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 佐々木武仁: "歯・顎・顔面領域における画像診断の進歩と放射線検査の正当性" 東京都歯科医師会雑誌. 37. 448-456 (1989)
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[Publications] 井田瑞技: "X線写真上で石灰化を認めた顎下線のCarcinoma in pleomorphic adenomaの一症例" 歯科放射線. 29. 63-68 (1989)
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[Publications] E.Honcla: "Dental radiographic signs characteristic to the Hallermann-Streiff syndrome" OS,OM&OP. (1990)
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[Publications] T.Kato: "Theoretical analysis of image formation process in quantitative dual-energy subtraction in single exposure." Nippon Acta Radiol. 49. 1152-1167 (1989)
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[Publications] 渡部敦: "顎顔面領域における計量画像診断の基礎" 歯科放射線. 29. 186 (1989)