1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01480554
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
小椋 正 鹿児島大学, 歯学部, 教授 (00059362)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥 猛志 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (50194486)
平井 志都子 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (00208795)
岡崎 雅子 鹿児島大学, 歯学部附属病院, 助手 (70203974)
森主 宜延 鹿児島大学, 歯学部, 助教授 (60128460)
|
Keywords | 顎関節症 / 顎関節症症状 / 顎関節雑音 / クリック音 / 捻髪音 / 若年者 / 下顎運動 / FCR |
Research Abstract |
1.顎関節雑音の採取方法と客観的診査方法について 顎関節雑音の採取方法は、エア-マフを使用せずコンデンサ-マイクロホンを使用して外耳道部から採取したものが一番明瞭な記録が得られた。この方法を用いて顎関節雑音を対称群(11関節)、クリニック音群(13関節)および捻髪音群(4関節)の三群に分けて調査した結果、顎関節雑音の原波形はクリック音群と比較して捻髪音群の持続時間が短く立ち上がりが急であった。パワ-スペクトル分布では捻髪音群が最も高域にまで分布し、続いてクリック音群が高く対照群が最も低かった。以上から、顎関節雑音の診査方法が確立が出来たと考える。 2.下顎運動機能と顎関節雑音との関係について 顎関節症症状を有する者の顎運動機能を知る手段として、対照群(11名)、クリック音群(8名)の下顎限界運動路と咀嚼筋筋電図の分析を行い、顎関節雑音の臨床的意義を検討した結果次のような事が解った。下顎限界運動路について、クリック音群は対照群に比べ運動路のバラツキが大きかった。また、咀嚼筋筋電図によるとクリック音群は対照群に比べて咀嚼障害のあることが示された。以上のことから、顎関節雑音を有するものは顎機能障害を潜在していることが示唆され、顎関節雑音を顎関節症の予防管理に用いることは有効であると考える。 3.Fuji Computed Radiography(FCR)による顎関節症患者の顎関節部と症状の関係について FCRを使用し、若年者の顎関節症患者38名を対象に顎関節内の形態を検討した結果次のような所見を得た。顎関節症患者の顎関節症症状を有する顎関節は、下顎窩に対する下顎頭の位置の異常や下顎頭の形態的異常の発現頻度が顎関節症症状を持たない顎関節より高かった。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] 大野秀夫: "思春期の顎関節症の個人内症状変動に関する経年的研究" 小児歯科学雑誌. 27. 64-73 (1989)
-
[Publications] 岡崎雅子: "顎関節雑音の音響学的分析と臨床的意義" 小児歯科学雑誌. 27. 101-119 (1989)
-
[Publications] 奥猛志: "思春期における顎非対称を有する顎関節症患者の3症例について" 小児歯科学雑誌. 27. 161-181 (1989)
-
[Publications] 森主宜延: "Fuji Computed Radiography(FCR)による思春期顎関節症患者の顎関節部についての研究" 小児歯科学雑誌. 27. 324-331 (1989)
-
[Publications] 森主宜延: "思春期における顎関節症患者の咬合機能と咀嚼筋機能についての研究" 小児歯科学雑誌. 27. 332-340 (1989)
-
[Publications] 平井志都子: "Hellmanの咬合発育段階に基づく小児の下顎の切歯運動路の推移について" 小児歯科学雑誌. 28. (1990)
-
[Publications] 小椋正: "さまざまな顎関節症2" デンティスト臨床研究会, 160 (1989)