1989 Fiscal Year Annual Research Report
国際的人権保障体制における“人権"概念の再検討-普遍的“人権"概念を求めて
Project/Area Number |
01520016
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
山崎 公士 香川大学, 法学部, 助教授 (80145036)
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Keywords | 国際人権法 / 人権 / 国際的人権保障 / 人権概念 / 普遍的人権概念 / 文化相対主義 / 文化 / 宗教 |
Research Abstract |
1.本年度は、第一に、世界人権宣言、国際人権規約の起草過程での国際的人権保障における“人権"概念についての議論を分析し、第二次大戦後から1960年代までの諸国の国際“人権"概念に関する公式な見解表明の特徴や傾向を分析した。 2.なお、当初予定していた国連憲章の起草過程の研究は、これに必要な国連のマイクロフィッシュ資料を年度内に入手できなかったため、平成2年度に実施することとした。 3.アジア・アフリカ諸国における“人権"概念に関する論調の基礎的な調査・分析をも行なった。 4.本学の現有図書設備では上記の研究のため必要な文献・資料が殆ど皆無であるので、関係文献を購入した。 また、本研究上不可欠な雑誌論文の複写を内外の研究機関に依頼・入手し、さらに、東京に3回出張し、自ら資料の収集にあたった。調査補助者の助力をえて、こうして集めた文献・資料の整理にあたった。 5.以上の作業と分析によって、次のことが明らかになった。 (1) 世界人権宣言および国際人権規約の起草過程で、既に、文化的・宗教的文脈による“人権"概念に関する立場の相違が現れいてること。 (2) (1)の点に関連して、当初本研究の第3年度(平成3年度)に研究予定の文化相対主義の主張に関する論点については、これを絶えず念頭に置きつつ次年度の研究にあたるべきであること。
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