1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01530037
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Research Institution | The Institute for Science of Labour |
Principal Investigator |
鷲谷 徹 労働科学研究所, 社会科学研究部・室長主任研究員 (00124313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋元 秀一 財団法人労働科学研究所, 社会科学研究部, 研究員 (20183907)
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Keywords | マイクロエレクトロニクス / 熟練技能 / 技術伝承 / 職務再編成 / 高齢化 / 技術革新 |
Research Abstract |
本研究は、マイクロエレクトロニクス(ME)技術の生産工程への導入に伴い、旧来型熟練技能の分解が進み、自動機に置き換えられるのかどうか、それとも、ME化にも拘らず生産工程の編成、段取り、機器のオペレ-ション等に関して依然として旧来型熟練技能の裏付けは欠かせないのかどうかを、技術的側面と高齢者活用を主眼とした労使関係視点からも解明しようとするものである。 本年度は、既存の文献・資料研究及びパイロット的事例調査を踏まえ、基本仮設と次年度実施する実態調査に係る作業仮設の検討を行ったが、その概要を示せば次のとおりである。 ・ME化にはコスト面で引き合わない程度の小ロット製造部門や精密加工を要する試作部門、治工具作製部門等、高度な熟練技能が相当長期間にわたって要求される部門は少なくない。 ・工程の自動化が進み、生産に必要な人員が減少した部門でも、直接工のうち、当該工程の流れを熟知し、生産の勘所を押さえられるベテラン作業者の存在は欠かせず、例えば生産技術部門でNCテ-プを作成したとしてもそのチェックや修正は現場で実際にモノを流しながら彼らが行う状況がある。熟練は形態を変えつつも生産のキイをなしているケ-スである。 熟練技能(工)の保全方法・形態に関し、目的意識的な例としては、試作部門への集中配置、保全・修理部門への配置の他に、特定工場や特定ラインに熟練工を集めて専ら汎用機により技能を活かした作業を行わせる例等多様に考えられている。
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