1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01540229
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
丸森 寿夫 筑波大学, 物理学系, 教授 (10037145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 幸男 筑波大学, 物理学系, 助手 (50189510)
宇根 司 筑波大学, 物理学系, 講師 (60015766)
岸本 照夫 筑波大学, 物理学系, 助教授 (30132989)
香村 俊武 筑波大学, 物理学系, 助教授 (20015556)
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Keywords | 大振幅集団運動 / 原子核の自己無撞着性 / 自己無撞着集団座標の方法 / 原子核の集団回転運動 / 相対論的多体問題 |
Research Abstract |
孤立有限量子多体系としての原子核がもつ自己無撞着性に起因する大振幅集団運動の非線形動力学を構築することが本研究課題である。本年度においては次の諸点で新たな進展があった。 1.原子核の大振幅集団運動の散逸を記述する微視的理論が、時間に依存した射影演算子法を適用して建設された。散逸にとって本質的な相互作用が、「自己無撞着集団座標の方法」によって抽出された大振幅集団運動と残りの他の運動モ-ドとの相互作用から定義された。この内容を検証するために、三準位模型での数値解析が実行された。 本年度の研究経費で購入したワ-クステ-ションは導入された時期がおそく、本年度での数値解析には間に合わなかったが、理論の検証・発展のために必要な、さらに複雑な模型での数値解析での活用が期待される。 2.原子核の集団回転運動が高スピン状態で自己無撞着場の構造を変化させる機構を解明するために、「自己無撞着集団座標の方法」を現実の原子核の回転運動に対して適用し、集団回転運動ハミルトニアンの高次項の物理的内容、特に振動モ-ドとの相互作用からの寄与についてその内容を明らかにした。励起回転バンドの内部状態の指定に関しても新たな知見が得られた。 集団回転運動を「Dynamical Nuclear Field Theory」で、かつ量子論的に記述する研究も進展し、SV(3)模型への適用がなされ、その有効性が検証された。 3.相対論的ハドロン多体系としての原子核の安定性に関する研究が進展した。原子核の安定性が、負エネルギ-状態とそれに伴うくり込みを考慮することによって説明されることが示された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Fumihiko Sakata: "Master Equations in the Microscopic Theory of Nuclear Callective Dynamics" Annals of Physics. 194. 30-64 (1989)
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[Publications] Fumihiko Sakata: "Breaking of Separability Condition for Dynamical Collective Subspace" Progress of Theoretical Physics. 82. 965-987 (1989)
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[Publications] Toshio Marumori: "A Microscopic Theory of Nuclear Dissipative Collective Dynamics" Nuclear Physics A.
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[Publications] Hideo Sakamoto: "Self-Consistent Effective Interactions in Nuclei(II)" Nuclear Physics. A501. 242-269 (1989)
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[Publications] Shin-ichi Kinouchi: "Nuclear Collective Rotation in the SV_3 Model(II)" Progress of Theoretical Physics.
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[Publications] T.Kohmura: "Stability of Relativistic Hartree States" Pbysics Letters B. 226. 207-212 (1989)