1990 Fiscal Year Annual Research Report
発生における遺伝子発現とDNAのメチル化の制御に関する研究
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01540590
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
八杉 貞雄 東京大学, 理学部, 助教授 (70011591)
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Keywords | 遺伝子発現調節 / ペプシノゲン遺伝子 / 胚発生 / DNAメチル化 |
Research Abstract |
本研究の目的は、胚発生において器官特異的かつ発生段階特異的に発現する遺伝子の例として、我々の研究室でcDNAおよびゲノム遺伝子をクロ-ニングしたニワトリ胚胃上皮細胞でのみ発現するニワトリ胚型ペプシノゲン遺伝子(ECPg)を取り上げ、その発現調節にECPg遺伝子のメチル化が関与している可能性を探ることである。 昨年度は、ニワトリ胚の諸組織より発生段階を追ってDNAを抽出し、いくつかの制限酵素で切断後、ECPgのcDNAまたは全ECPg遺伝子を含むゲノムDNAをプロ-ブとして、サザンハイブリダイゼ-ションを行ったところ、個体間でポリモルフィズムが見られた。そこでまず15日胚の各個体の筋肉DNAについてサザンハイブリダイゼ-ションを行い、パタンの同じ個体の胃を集めてDNAを抽出し、メチル化の程度を筋肉のそれと比較する方法を確立した。 本年度は、それに従って、実際にメチル化の程度を明らかにした。DNAを、メチル化を認識するHhal,Hpall、およびHpallのイソシゾマ-でメチルか化を認識しないMsplで切断後電気泳動し、サザンハイブリダイゼ-ションを行った。その結果、いずれの酵素で切断した場合にも、500bp以下の小さいバンドに至るまで、胃と筋肉でパタンに差が見られなかった。このことは、ECPgの発現制御にはDNAのメチル化は関与しないこと、従って、ECPg遺伝子の発現制御は、遺伝子に作用するトランス作用物質に求めるべきであることが示唆された。 そこでECPg遺伝子のプロモ-タ-領域に結合する核内物質を同定するために、ゲルシフトアッセ-を行ったところ、胃細胞の核内にプロモ-タ-領域に結合する物質があることが分かった。今後は、この物質の分離同定に進み、それによって胚発生における差次的遺伝子発現の制御機構を解明したいと考えている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] YASUGI,S.: "Pepsinogenーlike immunoreactivity in ascidian stomach and intestine:Immunohistochemical and biochemical study." Zool.Sci.6. 283-288 (1989)
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[Publications] YASUGI,S.et al.: "Differentiation of proventricular epithelium in xenoplastic associations with mesenchymal or fibroblastic cells." Roux'Arch.Develop.Biol.198. 114-117 (1989)
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[Publications] YASUGI,S.: "Mesenchymalーepithelial interactions in the organogenesis of digestive tract." Zool.Sci.7. 159-170 (1990)
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[Publications] TAKIGUCHIーHAYASHI,K.: "Transfilter analysis of the inductive influence of proventricular mesenchyme on stomach epithelial differentiation of chick embryos." Roux' Arch.Develop.Biol.198. 460-466 (1990)
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[Publications] MIZUNO,T.: "Susceptibility of epithelia to directive influence of mesenchymes during organogenesis:Uncoupling of morphogenesis and cytodifferentiation." Cell Differ.Develop.31. 151-159 (1990)
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[Publications] TAKIGUCHIーHAYASHI,K.: "Localized distribution of a novel mesenchymeーepecific antigen in developing chick digestive organs:Comparison with the distribution of fibronectin,laminin and tenascin." Roux' Arch.Develop.Biol.(1991)