1989 Fiscal Year Annual Research Report
二酸化マンガン鉱物の反射率と微少硬度による固定および分類
Project/Area Number |
01540665
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
福岡 正人 九州大学, 理学部, 助手 (70117232)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 允堯 九州大学, 理学部, 教授 (00037235)
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Keywords | 二酸化マンガン鉱物 / 反射率 / 微少硬度 |
Research Abstract |
二酸化マンガン鉱物(4価のMnが主体のもの)は現在23種が知られ、そのうち日本からは次の15種が報告されている:aurorite、birnessite、chalcophanite、coronadite、cryptomelane、hollandite、lithiophorite、manjiroite(万次郎鉱)、nsutite、pyrolusite、ramsdellite、rancieite、romanechite、takanelite(高根鉱)、todorokite(轟石)。これらの中で、陸上マンガン鉱床に最も多く産出する鉱物はpyrolusiteおよびcryptomelaneなどであり、深海底産のマンガンノジュ-ルを構成するのはtodorokite(10A-manganate)およびbirnessite(7A-manganate)である。一般に生成条件あるいは生成時期の相違に応じて、同一種であっても非晶質から完晶質まで様々な結晶度を示し、特に陸上風化生成物あるいはマンガンノジュ-ルなどでは非晶質に近い場合が多く、かつ粒径もミクロンオ-ダ-の細粒混合物集合体であることが普通である。 多くの二酸化マンガン鉱物は上記のように結晶度が大きく変動し、また固溶体などを形成するため、同一鉱物であっても物理的性質とりわけ反射率および硬度は広い範囲を示す。そして、異なる鉱物間での重複領域も比較的広い。しかし、全体としては反射率10〜50%そして硬度(VHN)50〜1,500の範囲内で、主要な鉱物は相対的に異なる位置を占める傾向が認められる。従って、産状等の相違を考慮した上で慎重に反射率と硬度を測定することにより、ある程度の鉱物種を同定できると期待できる。さらに、光学的異方性を示すものも多いことから、特に反射率のスペクトルパタ-ンの比較を行うことにより識別精度を向上させることが可能と考えられる。
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