| Research Abstract |
21種の二酸化マンガン鉱物について,報告されている反射率とビッカ-ス[微小]硬度数(VHN)のデ-タを検討し,それらの相違に基づいて4グル-プに分類した。これらは反射率とVHNが共に高い値をもつIグル-プから,共に低い値をもつIVグル-プまで,反射率とVHNの値がほぼ正の相関を示す傾向をもつ。各グル-プに含まれる鉱物は次のようになる:Iグル-プーnsutite,pyrocusite;IIグル-プーcoronadite,hollandite,cryptomelane,manjiroite,romanechite,woodruffite,ramsdellite;IIIグル-プーchalcophanite,aurorite,birnessite,eithiophorite,todorokite,asholane,janngunite,IVグル-プーvernadite,rancieite,takanelte,akhtenskite,buserite。
各グル-プの鉱物が示す値を評価するために,日本およびインド産の代表的な鉱物試料について検討を行った。X線粉末回折法やEPMA法により鉱物種の確認がなされた試料について,研磨片を作製して反射偏光顕微鏡下で観察を行ない反射率とVHN測定用試料を選んだ。測定した試料は,Iグル-プとしてはpyrolusiteが2試料とnsutiteが3試料,IIグル-プとしてはholianditeが1試料とcryptomelaneが5試料,IIIグル-プとしてはbirnessiteとtodorokiteが1試料ずつ,そのほかにpyrolusiteとtodorokiteの混合物およびcyptomelaneとtodorokiteの混合物が1試料ずつの計15試料である。これらは粒径や組織・産状などが異なるが,各鉱物の反射率とVHNの測定結果はそれぞれ決まった変動範囲を示し,また報告された値ともほとんど傾向が類似している。したがって,これらの特徴の違いは鏡下で二酸化マンガン鉱物を同定する場合に重要な鍵となり,そのほかの光学的性質の違いや晶癖などの組織上の特徴などを加味することによりさらに正確な決定が行えることが明らかになった。
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