1989 Fiscal Year Annual Research Report
環状空間内三次元乱流自然対流の直接数値計算およびその実験による検証
Project/Area Number |
01550181
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
福田 研二 九州大学, 工学部, 助教授 (90117234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 哲也 九州大学, 工学部, 助手 (00162107)
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Keywords | 乱流自然対流 / 直接数値計算 / ダイレクトシミュレ-ション |
Research Abstract |
熱工学問題の基礎形状の一つである環状空間内の流体層の乱流自然対流について解析および実験を行った。解析的にはス-パコンピュ-タを用い、乱流自然対流の温度や速度分布およびそれらの変動量を求めた。特に変動量については統計処理を行い、パワ-スペクトルおよびエネルギ-スペクトルを得、後者では乱流現象に特徴的な慣性小領域の存在を確認した。更に、空気を作動流体として実験を行った。すなわち、温度場および特にその測定が困難である速度場を、それぞれ熱電対および熱線風速計を用いて求め、それらの平均分布形状、パワ-スペクトル、乱流強度分布あるいは振動周期等を得、解析結果と比較して良い一致を得た。特にパワ-スペクトルの比較より、低レ-レ-数域では流れの周期的振動を示す明瞭な線スペクトルであるのが、レ-レ-数が高くなるにつれて周期性がこわれ、次第に連続スペクトルに移行することを確認した。また振動周期および振動の発生限界についても実験と解析の良い一致を得た。速度の乱れ強度はレ-レ-数が3×10^5程度を越えると急激に大きくなり、その分布は壁からわずか離れたところでピ-クを持つ分布であること、あるいは温度の乱れ強度についても、やはりレ-レ-数が3×10^5を境にその分布が大きく変化し、壁付近でピ-クを持ち、半径方向中間位置では乱れが抑えられる傾向を示すことなどを見出した。 更に種々の研究者によって与えられた実験デ-タについても解析を行い極めて良い一致を得た。現時点で入手しうる限りのデ-タはすべて、本解析手法の妥当性を支持しており、解析上の微妙な問題点を実験により明らかにしていくことは、むしろ後者に限界があることがわかった。従って数値計算同士の比較も非常に重要であった。差分格子点数や管軸方向周期長のエネルギスペクトルや、乱流強度分布に及ぼす影響について詳細に検討した。
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[Publications] 守田幸路: "水平環状空間内非定常3次元自然対流(III)乱流自然対流の直接数値シミュレ-ションの妥当性" 日本原子力学会誌.
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[Publications] Kenji Fukuda: "Analytical and Experimental study on Turbulent Natural Convection in a Horizontal Annulus" Int.J.Heat and Mass Transfer.
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[Publications] Rao Yanfei: "Stabilities of Natural Convection in Horizontal Porous Annuli" J.Engineering Thermophysics. 10-4. 412-416 (1989)