1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01550306
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
石井 郁夫 新潟大学, 工学部, 教授 (80018481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
掘 潤一 新潟大学, 工学部, 助手 (80209262)
大和 淳二 新潟大学, 工学部, 教授 (60143749)
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Keywords | 心室細動 / 植込み型除細動器 / 不整脈検出 |
Research Abstract |
植込み型除細動器における個人の特性に応じた不整脈検出方法の開発を目的に、心電図に関する実時間信号処理プログラムの開発を行なった。具体的には、動物実験により1)不整脈デ-タの収集、2)不整脈認識アルゴリズムの開発、3)認識プログラムを除細動器内へ組込むためのハ-ドウェアの設計を行なった。また開発に必要な設備としてマイクロプロセッサ開発装置を購入し、エミュレ-ションによりプログラムの動作を確認した。とくに今年度の研究では、従来動物実験が困難であるという理由から電気的にのみ発生させていた心室細動を、環状動脈を結紮する方法と、薬物による方法により同一の犬で作り出し、その不整脈波形を連続的に記録し、認識用のデ-タとして用いた。これによって、細動発生原因の違いによる周波数分布の変化など、従来報告されていなかった多くの知見を得ることができ、同時に認識プログラムの改良を行なうことができた。 つぎに細動検出方法について検討した。従来、心電図のフ-リェ変換や複数電極法が試みられているが、実用化に際し最大の問題は心電図波形の個人差であり、これを画一的に判別することが困難であった。そこで我々は、心電図における各個人の波形変動を時系列波形の非定常的変化と考え、長時間自動的に重み係数の変化を記録し、個人的細動の検出のパラメ-タを決定するソフトウェアを開発した。その結果、従来判別が困難であった小振幅の細動波形に対しても洞調律時の波形パラメ-タと比較することにより容易に細動検出が可能になった。また時間的な発生機序から頻脈と細動を判別することができるため、除細動器の誤動作を防止できる。この間、現在細動検出に関して共同研究を進めているカナダ・トロント大学のスラッツキ-教授に臨床的な助言を受けた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 石井郁夫・牧野秀夫ほか: "パ-ソナル・デ-タベ-スによる心室細動検出方法の開発" 電子情報通信学会技術研究報告. (1990)
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[Publications] Ikuo Ishii,Hideo Makino et.al.: "Reliable Fibrillation Sensing Method using a Personal Data Base" Pacing & Electrical Physiology. (1990)