1989 Fiscal Year Annual Research Report
非線形回路の高能率解法及び回路構造と解の性質との関係解明
Project/Area Number |
01550313
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
西 哲生 九州大学, 工学部, 教授 (40037908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川根 祐二 九州大学, 工学部, 助手 (30214662)
元石 浩二 九州大学, 工学部, 助教授 (00038118)
香田 徹 九州大学, 工学部, 助教授 (20038102)
古賀 利郎 九州大学, 工学部, 教授 (00037706)
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Keywords | 非線形回路 / 区分線形方程式 / 高能率解法 / 回路トポロジ- / 一意解 / 解の個数 |
Research Abstract |
トランジスタを基本素子とするVLSIは典型的な非線形回路であり、これの解析、設計には、定量的解析のほか、解の存在、一意性、安定性等の定性的解析が重要である。平成元年度は、非線形抵抗回路を対象とし、解の高能率計算法の検討及び解の個数などに関する定性的性質の検討を行った。 1.非線形素子特性を区分線形化することにより、回路方程式は区分線形方程式となり、これは一般には複数個の解をもつ。この方程式の全ての解を求めるのに、従来の方法では計算量としてO(Mn^2)(Mは線形領域の個数、nは変数の個数)を要したが、本研究では計算量がO(Mn)ですむ新しい手法を見いだし、1989ISCAS(International Symposium on Circuits and Systems,IEEE主催)において発表した。 2.非線形抵抗がダイオ-ドの場合に対して、回路方程式が(ダイオ-ド特性に無関係に)有限個の解しか持ち得ないための条件を求め、電子情報通信学会の回路とシステム研究会及び全国大会などにおいて発表した。この条件を利用すると、回路の構造と解の性質の関係を検討することができる。この類の研究は基礎的なものであるが、欧米でも盛んに検討されている。この結果は、集積回路の基本回路(メモリ等)、ニュ-ラルネトワ-ク等に対する設計指針を与える可能性を持ち、更に詳細な検討の価値があると思われる。 3.来年度の予定としては、ダイナミクス回路を対象として、定常解の一意性、安定性、発振可能性、カオス的振舞の可能性、等を検討したい。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Tetsuo NISHI: "Circuit Theory in Japan" IEEE Transactions on Education. 32. 355-358 (1989)
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[Publications] Tetsuo NISHI: "An efficient method to find all solutions of piece-wise linear resistive circuits" Proceedings of the 1989 International Symposium on Circuits and Systems. 3. 2052-2055 (1989)
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[Publications] 西哲生: "非線形抵抗回路の解の個数に関する一考察" 電子情報通信学会 回路とシステム研究技報. CAS89-96. 31-36 (1989)