1990 Fiscal Year Annual Research Report
薄肉H形断面部材の連成座屈強度特性とその評価法に関する研究
Project/Area Number |
01550369
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
崎元 達郎 熊本大学, 工学部, 教授 (50029302)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 徹彦 愛知工業大学, 工学部, 教授 (70064946)
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Keywords | 薄肉圧延H形鋼 / 局部座屈強度 / 連成座屈強度 / 短柱試験 / 長柱試験 |
Research Abstract |
前年度の理論的研究に引き続き、平成2年度は、実験的研究を行った。実験的研究は、短柱試験と長柱試験からなる。 〈短柱試験〉供試体は、高さ150〜250mm、巾100〜150mm、フランジ厚4.5mmウェブ厚3.2mmの軽量圧延H形鋼(SS41担当)とし、断面寸法を4種類、材長を6種類に変化させた計24体について、フランジとウェブの幅厚比を変化させて、局部座屈強度を求めた。予備実験の結果、降伏応力度が非常に高いこと、初期たわみは、ほぼ道路橋示方書の許容値を満足していること、フランジには、三角形分布の引張残留応力度、ウェブには放物線分布の圧縮残留応力度が生じていること等が明らかになった。実験値をフランジとウェブのそれぞれの幅厚比パラメ-タの積の平方根で定義される等価幅厚比に対して整理した結果、幅厚比が相当大きな供試体でも十分な強度が得られることが明らかになった。 〈長柱試験〉供試体の断面の種類は、フランジの幅厚比を11.1に固定してウェブの幅厚比を変化させたタイプA,Bと、ウェブの幅厚比を75.3に固定してフランジの幅厚比を変化させたタイプC,Dからなる。この4タイプに対して、細長比が50,75,100のものを各3体製作し、同じ細長比の3体については、偏心量を3種類に変化させて実験した。(供試体数は計36体で.内平成元年度12体、本年度24体実施した。)その結果、中心圧縮柱については、その強度は、道路橋示方書の基準強度曲線に比べて十分大きいことが明らかになった。偏心柱については、示方書の基準強度曲線の上下にバラつく結果を得たが、偏心量が断面2次半径の0.15倍程度なら、同基準強度曲線で安全側に評価できることが明らかになった。 供試体の材料の入手が難行し、実験のみは何とか終了することができたが、前年度の理論的研究の結果を用いて実験結果を解析し、総合的に検討することは、今後の課題として残された。
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