1989 Fiscal Year Annual Research Report
土木構造物における鋼材の局部的腐食の実態およびそのメカニズムの解明
Project/Area Number |
01550375
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大即 信明 東京工業大学, 工学部, 助教授 (40211106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 毅 東京工業大学, 工学部, 教務職員 (10184756)
大賀 宏行 東京工業大学, 工学部, 助手 (40152061)
岡本 亨久 東京工業大学, 工学部, 助手 (50093737)
三木 千寿 東京工業大学, 工学部, 助教授 (20016645)
長瀧 重義 東京工業大学, 工学部, 教授 (00016320)
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Keywords | 局部的腐食 / 土木構造物 / 鉄筋コンクリ-ト構造物 / 鋼構造物 / ハイブリッド構造物 |
Research Abstract |
土木構造物における鋼材の局部的腐食について、その実態、メカニズムおよび将来の可能性について、検討を加えた。 鋼材の局部的腐食は、RC、鋼およびハイブリッド構造物の各々において観察された。RCにおいては、ひびわれ部、打ち継ぎ目部および補修部に起因するものがあった。鋼構造物においては、リベット部、溶接部において事例が観察された。また、工場等の配管が鋼製の場合にも事例が観察された。ハイブリッドにおいては、グレ-チング型ハイブリッド橋床版、鋼管杭のRC構造物との接合部に観察された。これらの局部的腐食はいずれも海洋環境において顕著であった。さらに、一部の海洋環境にあるRC構造物においては、ある種の骨材反応との組合せで鋼材腐食の認められるものもあった。 これらの原因を検討したが、電池として、(1)酸素の濃淡電池、(2)活性-不動態電池、(3)異種金属間電池、が考えられた。 また、試験として、水道水中、海水中、モルタル中、砂中(水道水あるいは海水混入)、粘土中(水道水あるいは海水混入)における鋼材の電位および分極曲線を測定した。この結果は、各種の電池(特に(1)、(2))の存在を裏付けるものであった。 以上より考えると、海中部、海底土中、気中、河川部等を貫くような構造物においては、大規模な局部的腐食の発生の可能性のあることが確認された。
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