コンクリ-ト構造物の動的せん断耐力に関する研究

1990 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 01550376
• Research Institution: Setsunan University
• Principal Investigator: 矢村 潔 摂南大学, 工学部, 教授 (30026257)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 井上 正一 鳥取大学, 工学部, 助教授 (10032286)
• Keywords: 鉄筋コンクリ-ト / せん断 / 耐震 / 疲労 / 動的

Research Abstract

コンクリ-ト構造部材が破壊する場合,静的な載荷状態のもとでは十分なじん性を有する曲げ破壊する部材であっても,正負交番繰返し載荷あるいは高サイクル繰返し載荷により,せん断破壊が卓越してくることが指摘されている。本研究では,このような動的載荷状況下における鉄筋コンクリ-ト部材のせん断抵抗性を明らかにすることを目的としている。本年度は昨年度に引き続いて,鉄筋コンクリ-ト小型模型はりについて,大変形正負交番繰り返し載荷および疲労を対象とした高サイクル繰り返し載荷試験を行ない,主としてせん断破壊の進行状況について検討した。特に本年度は,正負交番載荷に関しては,有効高さを新らたに要因として取りあげ,また,高サイクル繰り返し載荷に関しては,環境条件(気中,水中)を取りあげた。その結果として,はり断面の有効高さが大きくなると,主鉄筋比が同じであっても,せん断破壊が生じやすくなりまたせん断補強鉄筋の割増しの効果もそれほど期待できなくなること,水中における鉄筋コンクリ-トはりの200万回疲労寿命は気中のそれより15〜25%程度小さくなり,破壊様式も曲げせん断領域での破壊が卓越してくること等が明らかになった。さらに,せん断破壊の進行が繰返し載荷の途中から進行し始めることを,曲げひびわれ幅と斜めせん断ひびわれ幅との変化の状況から検討し,斜めひびわれ幅が進展し始める状況が重要な破壊規範であると考え、この点を規準に,動的荷重下におけるせん断耐力に関する設計上の取扱い方法について検討を加えた。

Research Products

• [Publications] 西林 新蔵,矢村 潔,宮脇 泰一郎他: "繰返し曲げせん断を受けるRC部材の変形能に関する一実験" 土木学会中国四国支部研究発表会論文集. (1991)
• [Publications] 西林 新蔵,井上 正一他: "RCはりの疲労寿命に及ぼす環境条件の影響について" 土木学会中国四国支部研究発表会論文集. (1991)