1989 Fiscal Year Annual Research Report
マルチハビテイションに対応した都市形成に関する研究
Project/Area Number |
01550411
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
山形 耕一 茨城大学, 工学部, 教授 (70002053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹谷 康之 茨城大学, 工学部, 助手 (90170703)
小柳 武和 茨城大学, 工学部, 助教授 (50108205)
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Keywords | マルチハビテイション / リゾ-ト / 都市形成戦略 |
Research Abstract |
本研究では、広域な圏域に複数の生活拠点をもち、週、年、一生等のある時間単位を分割し、各生活拠点にシェアリングして暮らす居住形態をマルチハビテイションと呼び、このような生活形態を通じて、住宅の狭小、余裕時間、自然環境やレクリエィションの場の確保等の問題の解決を図ろうとするものである。これと共に、マルチハビテイションを通じて、人口の地域定着更には企業等雇用機会の増加を図り、地域社会の都市形成を促す戦略として把えている。 平成2年度には、以下の調査を行った。(1)国民生活意識・リゾ-ト等に関する既存の調査資料のサ-ベイ及びマルチハビテイションに対する需要動向並びに需要形態の分析、(2)別荘地・リゾ-ト開発先例地として、トマム、那須、軽井沢、九十九里、御宿、富士見、伊東、淡路島の実態調査並びに市町村ロアリング(3)千葉県御宿町及び茨城県大洋村をケ-ススタディ地域に選び、地域住民及び別荘・マンション購入者を対象とするアンケ-ト調査。 これらの結果(ア)多くの市町村でリゾ-ト開発に期待を持ち、開発基本構想を築定しつつあるが、民間開発業者による先行的な開発を的確に誘導、規制する手段を欠き景観優良地区や拠点施設の種地を先拠され、構想実現に障害が生じつつあること。(イ)地元側からは、環境・社会・交通等の諸点でマイナスのインパクトの多いこと、地元消費等経済上のインパクトの小ささなどからマルチハビテイションへの否定的な見方も多いこと、(ウ)購入者側では、地元への関心が薄く、いわば別世界を形づくるような休養の場を求めていること等が明らかとなった。すなわち、地域活性化を目指す地元側と、需要者・開発者側との思惑の違いが顕在化しつつあり、良質な地域社会形成上の課題が抽出された。
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Research Products
(1 results)