1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01550674
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
木地 実夫 鳥取大学, 工学部, 教授 (60026002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡野 多門 鳥取大学, 工学部, 助教授 (20112104)
小西 久俊 鳥取大学, 工学部, 助教授 (40112106)
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Keywords | 常圧カルボニル化 / パラジウム触媒 / β,γ-不飽和脂肪酸 / アリル化合物 |
Research Abstract |
アリル化合物のカルボニル化によるβ、γ-不飽和脂肪酸の合成には、Ni、Pd触媒が有効である。しかし、Ni触媒の効率は悪く、Pd触媒では高温、高圧が必要であった。われわれは以前に、アルカリ水溶液/有機溶媒二相系では、Pd触媒でも常温,常圧でハロゲン化アリルのカルボニル化が進行することを見い出した。しかし、この方法で高級なアリル化合物をカルボニル化した場合、β、γ-不飽和脂肪酸の収率は高々50%程度であった。 クロロホルム、テトラヒドロフランのような極性有機溶媒、相間移動型触媒を使用して反応の改良を試みたが、良好な結果が得られなかった。そこで、アルコキシド/アルコ-ルの均一系でカルボニル化を行なったところ、β、γ-不飽和脂肪酸エステルが高収率で得られた。とくに、塩化シンナミル、塩化ゲラニル等の高級アリル化合物から、相当するエステルが85〜90%の高収率で得られた。ただし、この場合、共触媒としてジホスフィンが存在する必要がある。 求核種^-OH、^-ORが存在すれば、なぜ常温,常圧でカルボニル化が進行するのか、現在のところ不明である。反応機構として、アリル基のC-Pd結合への一酸化炭素の挿入でアシル中間体が生成するよりも、Pdに配位している一酸化炭素へ求核試薬が攻撃して、ヒドロキシ-またはアルコキシカルボニルが優先的に生成し、これとアリル基との還元的脱離で生成物を与えるものと推定している。今後は、反応機構の解明と触媒効率の一層の向上をはかりたい。
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[Publications] Jitsuo Kiji,Tamon Okano,Hisatoshi Konishi,and Wataru Nishiumi: "Palladium-Catalyzed,Atmospheric Pressure Ethoxy-carbonylation of Allylic Halides under the Influence of Sodium Ethoxide" Chemistry Letters. 1873-1876 (1989)