1989 Fiscal Year Annual Research Report
高レイノルズ数自由噴流の直接数値計算と実測値による評価
Project/Area Number |
01550746
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
湯 晋一 九州工業大学, 工学部, 教授 (30026215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇敷 建一 九州工業大学, 工学部, 助教授 (40026365)
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Keywords | 乱流 / 自由噴流 / 大規模渦 / 直接数値計算 / 3次の風上差分法 / 平均速度分布 / ベクトル線図 / ス-パ-コンピュ-タ- |
Research Abstract |
3次元流れ場全体の乱流特性を定量的にえることを可能にするのは最終的には乱流場の直接数値計算以外にはないであろう。もちろんレイノルズ数が数千以上になると正確な数値解をえるのはむづかしいが、Navier-Stokes方程式の非線型項を高次(本研究では3次以上)の上流差分を用いると高レイノルズ数の流れにおいてもかなり信頼度のある解をえることが出来るといわれている。そこで本研究においてはNavier-Stokes式の直接数値計算プログラムを種々作成し、改良し、ス-パ-コンピュ-タ-を用いてどの程度の信頼性がある計算結果がえられるか、また乱流現象を長時間(乱れ特性値をえるためには時間平均を行わなければならないので長時間にわたった流れ場が必要である)にわたっての計算が可能か等を明らかにした。すなわちスリットノズルから噴出する3次元空気自由噴流の初期領域から乱流発達領域をふくんだ広い流れ場(X/D=0〜50、ただしXはノズル出口より軸方向距離、Dはノズル中である)の直接数値計算を行った。上記方程式の非線型項である対流項の差分式はエネルギ-保存型になるように工夫した。一方本年度において実験は主に噴流の平均速度分布や速度ベクトル線図について行い、計算結果と比較し、その評価を行った。その結果、有限差分の格子巾はKolmogrovのミクロスケ-ルの約10倍だが、平均速度分布の計算結果は実験値をよく表現していること、これは流れの形成に主要な役割をする大きな渦を計算はよくとらえているからで、3次の風上差分法における微小渦の省略は大きい渦の計算結果に大きな誤差をおよぼさないこと。したがって速度ベクトル線図の計算結果も大規模渦の実験値をよく表わしていること等を明らかにした。来年度は詳細な乱流特性の評価を行う予定である。
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