1989 Fiscal Year Annual Research Report
植物病原糸状菌への遺伝子導入と形質転換ベクタ-系の開発
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01560057
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| Research Institution | Kinki University |
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Principal Investigator |
豊田 秀吉 近畿大学, 農学部, 助教授 (00150805)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 克のり 近畿大学, 農学部, 研究生
吉田 元信 近畿大学, 食品科学研究所, 講師 (80192425)
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| Keywords | エレクトロポ-レ-ション / トマト萎凋病菌 / プロモ-タ- / デンプン / アミラ-ゼ生産遺伝子 / mRNA / 遺伝子バンク / 水銀無毒化遺伝子 |
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| Research Abstract |
本年度に実施した研究の概要を以下の項目別に要約する。
1.植物病原菌胞子に外来遺伝子を直接導入するための実験法の確立
植物病原菌としては、トマト萎凋病菌の小型分生胞子を使用し、エレクトロポ-レ-ション(EP)法によって外来高分子の導入を試みた。EPの条件としては、電場強度、パルス回数、導入物質の濃度を検討し、最適条件を明らかにした。これらの研究結果は、Journal of Phytopathology誌の1989年第125巻89〜96に掲載された。また、本法を用いた外来遺伝子の導入については、水銀無毒化遺伝子を組込んだベクタ-DNAを使用し、病原菌胞子染色体に挿入され、かつその遺伝子の発現が認められることを明らかにした。これらの研究結果については、平成元年度日本植物病理学会大会(札幌)で発表した。
2.糸状菌で作用するプロモ-タ-領域の探索
トマト萎凋病菌をデンプン添加培地で培養したところ、活発なアミラ-ゼ王産が認められたので、アミラ-ゼ王産遺伝子の転写、すなわち本遺伝子のプロモ-タ-活性が強力であると考え、アミラ-ゼ遺伝子の単離とその上流部塩基配列の解析を試みることにした。まず、萎凋病の染色体DNAから遺伝子バンクを作製する目的で、Sai3AI制限酵素で切断したDNAをEmbel3ファ-ジベクタ-に組換え、染色体全部をカバ-するクロ-ンを分離した。次に、アミラ-ゼ遺伝子を単離するため、デンプン添加培地で培養中の菌体からmRNAを分離し、上述の遺伝子バンクと相同性試験を行った。今回の実験によってアミラ-ゼ遺伝子を分離したので、これらの結果を学会発表するとともに、さらにそれらの遺伝子構造を解析する予定である。
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[Publications] Y.Matsuda,H.Toyoda,T.Nishiguchi,S.Ouchi: "Direct introduction of fluorescein isothio cyanate-conjugated albumin into in tact macroconidia of Fusarium oxysporum f.sp.lyoopersici by electroporation." Journal of Phytopathology. 125. 89-96 (1989)
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[Publications] Y.Matsuda,H.Toyoda S.Ouchi: "Application of microinjection to appressoria and haustoria to Erysiphe graminis f.sp.hordei" Ann.Phytopath.Soc.Japan. 55. 67-68 (1989)
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[Publications] H.Toyoda,T.Oki,Y.Matsuda,K.Katsuragi,T.Nishigudi,S.Ochi: "Transformation of contituent cells of tomato callus ajgregates by intranuclear mieroinjection" Ploant Tissue Culture Letters. 6. 95-97 (1989)
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[Publications] H.Toyoda,K.Shimizu.K.Chatani,N.Kita,Y.Matsuda,S.Ouchi: "Selection of bacterial-wilt resistant tomato through tissue cultare" Plant Cell Reports. 8. 317-320 (1989)
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[Publications] H.Toyoda,K.Chatani,Y.Matsuda,S.Ouchi: "Multiplication of tobacco mosaic virus in tobacco callus tissues and in ritro selection for vival disease resistance" Plant Cell Reports. 8. 433-436 (1989)
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[Publications] 豊田秀吉(分担執筆): "植物病理学実験マニュアル" 養賢堂, 160 (1989)
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[Publications] 豊田秀吉(分担執筆): "植物病害と遺伝子工学" 朝日出版社, 225 (1989)
