1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01560169
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
川田 勲 高知大学, 農学部, 助教授 (40036752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
依光 良三 高知大学, 農学部, 助教授 (00117029)
岩神 正朗 高知大学, 農学部, 助教授 (50036729)
坂本 格 高知大学, 農学部, 教授 (00036716)
大平 英輔 高知大学, 農学部, 教授 (80036706)
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Keywords | 国産材振興 / 産地化 / 組織化 / 産地間競争 |
Research Abstract |
本年度は統計資料等による全国的市場動向把握と理論的研究を進めると共に、注目される地域の実態調査を行った。まずわが国でも代表的な国産材産地である岡山県勝山地方を、全員参加で実態調査を行い現実的認識を深め、また個別地域分担方式により高知県をはじめ岐阜県、大分県、兵庫県、愛知県、三重県、徳島県、和歌山県等での消費動向・産地構造・地域林業の実態について調査した。 住宅建築は内需拡大政策による大型景気に支えられ顕著な伸びが見られ、木材需要も1億m^3以上に回復した。しかし供給は外材によって賄われ、国産材は依然として低迷状況にあり国産材市場の拡大が求められている。一方では、森林資材の成熟と共に間伐問題をはじめ立木の商品化が、また山村の過疎化・経済基盤の弱体化による地域産業おこしなどが、林業及び山村での重要な課題となっている。これらの課題に答える方向が国産材振興であり、その内実が組織化を軸とした産地化である。近年全国的に活発な産地化への取り組みが見られるが、その方向は生産面では1.加工基盤の強化・整備の充実等生産性の向上、2.高度加工による付加価値生産化、3.新商品の開発 また流通面では1.産直住宅の推進、2.市売機構の整備充実など流通再編、3.全国市場に向けての共販の展開、4.VANシステム等による流通の効率化であり、これらの地域的対応が国産材振興における産地の組織化を規定している。今後、林業生産から流通・加工・消費にわたる木材生産の総過程を、一定の地域を軸に組織化視点からの調査分析を進め、本研究の課題に接近する。
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