1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01560201
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Research Institution | Tokyo University of Fisheries |
Principal Investigator |
平山 信夫 東京水産大学, 水産学部, 教授 (00017039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 栄次 東京水産大学, 水産学部, 助手 (40217013)
山田 作太郎 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (60017077)
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Keywords | アワビ漁業 / 初期生殘率 / 放流効果 / 漁獲回収率 / 資源管理 / 種苗生産單価 / 漁獲周期 |
Research Abstract |
初年度に実施したアワビ採捕漁業の操業実態調査資料と,従来までの調査資料,既往の研究結果に基づいて放流による生産効果の判定法について,秋田県南部地区磯根漁場の特殊性を考慮して以下の事項について研究を行った。 (1)放流サイズ別の生殘率の推定:一般に魚介類では生活史初期における生殘率は小さい。生産効果をより向上させるためには,出来るだけ初期減耗を少くし,生産への寄与率を高めることが肝要である。秋田県水産振興センタ-が行なった放流時のサイズ(殻長)別の減耗調査結果によってエゾアワビのサイズ別の年間生殘率を計算し,放流時点での殻長Lとその生殘率S(L)との関係が,およそS(L)=S_0(1ーe^<ーKL>)の式で示されることが判った。なおここでS_0は成貝時の生殘率と考えることができる。 (2)種苗放流貝の漁獲回収率:種苗放流による生産効果を求めるためには放流年級群個体群が一生を通じて,どれだけ再捕されるかを調べる必要がある。放流個体群個数に対するその再捕総数の割合を漁獲回収率Hj(jは放流年次数)と定義し,自然死亡,漁獲開始サイズへの加入率,漁獲努力量を用いて再捕個数についての数理モデルを作成してHjの算定式を作成し,収集資料によりHjを計算した。その結果は,当地区では10〜30%の回収率のあることが判った。 (3)種苗放流事業の経済効果の判定:経済利潤は種苗生産総コストと漁業収入金の差として得られる。前者は種苗生産單価の関数,後者は回収率の関数で,これらの関係を図表示した。 (4)アワビ採取漁業の最適方策の検討:アワビ資源の現在価値を評価関数として,最大原理による制御問題として,漁獲開始年令と漁獲周期についてシミュレ-ション実験を行い,改良策を提案した。
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Research Products
(1 results)