1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01570028
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
絹谷 政江 愛媛大学, 医学部, 助教授 (60035491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高島 庸一郎 愛媛大学, 医学部, 教授 (30028344)
丹 京子 愛媛大学, 医学部, 助手 (80116954)
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Keywords | キメラ / 脊髄神経路 / axonの伸長 / 位置のポテンシャル / 発生 / 実験発生学(胚手術) |
Research Abstract |
axonの伸長に関してグリア細胞によるguidanceやchemotaxis説などが提唱されているが未だ解明されておらず、種々の事実の積み重ねが続けられている。我々は脊髄内における知覚神経路axonの伸長を、実験発生学的な手法を利用して検討を行っている。ニワトリ-ウズラ移植実験系を用いて、神経管を翼板と基板に半切するかまたは左右軸に半切し、各々を組み合せることにより、脊髄内の上行性線維と後索との親和性の有無および位置のポテンシャルの有無を決定できるものと予測している。 今年度実験の結果は、2つのタイプの移植実験より、 1)神経管を背腹軸に反転移植を行った。上行性の知覚神経線維は後索を求めて移植接合面で横断し、かつ同側性を選択的に通過することが確認された。 2)神経管を左右軸に半切移植して交叉線維の発生学的証明を試みた。知覚神経線維の上行路のうち、白(前)交連を経て対側の前側索へ達し、上行する繊維がまず発生し、続いて同側の後索を上行する線維が発達して来るのが観察された。 実験結果そのものではないが、ニワトリ育種の方の助言により、転卵装置が孵卵に効果を持つことを教えていただき、卵殻に窓を開けた手術胚にも応用して孵卵方法の改良を行った。転卵装置付き孵卵器を購入使用し始めた現在、手術胚の生存率・孵化率を高めることができた。 次年度は、細胞移植をも含めた脊髄の発生学的な組織構築とも関連させながら、計画に従って新たな組み合せ移植実験を行い、知覚神経線維と位置のポテンシャルに関する解析を進める計画である。
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