1990 Fiscal Year Annual Research Report
各種大気汚染物質の抗原吸入に対する抗原特異的IgE抗体産生能への影響
Project/Area Number |
01570301
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
香川 順 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (90055955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山野 優子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (30167580)
長尾 憲樹 東京女子医学大学, 医学部, 助手 (80155910)
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Keywords | 大気汚染物質 / 抗原特異的IgE抗体 / 気道反応性 / 超音波オブライザ- / ELISA法 |
Research Abstract |
本研究は、気道の反応性および過敏性をもたらす窒素酸化物、オゾン等の各種大気汚染物質の吸入が、炎症等を介して、経気道的外来抗原による感作を増強するか否かを調べることを目的とするものである。すでに昨年度までの研究により、ガラスネブライザ-を発生装置に用いた抗原吸入曝露測定装置を試作し、吸入抗原である卵白アルブミンの粒径は気道沈着させるに十分なものであることを確認した。しかしながら、本研究ではより実際の環境下での影響を検討する意味から、比較的低濃度で一定時間以上連続曝露させる必要があり、今年度においては超音波ネブライザ-を使用し抗原曝露装置の改良を試みた。その結果、1mg/m^3から100mg/m^3の範囲において長時間安定した濃度の卵白アルブミンに曝露させることが可能となった。発生粒径についても気道沈着させるに十分かつ安定なものが得られた。 感作の有無を知る方法としては、昨年度までのPCA(受身皮膚アナフィラキシ-)法に加え、本年度はELISA(免疫酵素抗体)法を用いた卵白アルブミン特異的IgE抗体測定を導入、確立した。 本年度は主として、以上のような抗原曝露システムおよびIgE測定法を用いて、大気汚染物質非曝露群における抗原曝露に対する抗体産生能をマウスを対象にして検討を行なった。その結果、卵白アルブミンに1日1時間、連続10日間曝露の場合の曝露後7日めにおいて感作の有無をIgEーELISA法でみた場合、感作するに必要な抗原の曝露濃度は、個体差は大きいと考えられるものの、10mg/m^3から100mg/m^3の間であることがわかった。
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