1990 Fiscal Year Annual Research Report
百日咳ワクチン接種後副反応への免疫遺伝学的因子の関与に関する基礎的検討
Project/Area Number |
01570307
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
織田 正昭 東京大学, 医学部, 助手 (20160872)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日暮 眞 東京大学, 医学部, 教授 (00010223)
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Keywords | 百日咳 / 免疫遺伝学 / ワクチン / 副反応 |
Research Abstract |
現行のacellularタイプの百日咳ワクチンは、主要感染防御抗原としてフィラメント状赤血球凝集素(FHA)と百日咳毒素(PT)を含み、発熱を中心とする接種後副反応が大幅に減少した。しかしなお残る副反応の原因については、不明な点が多い。本年度は、前年度で作製した感染実験に足るだけの精製菌体成分のそれらに対するmonoclonal抗体を用いて、ワクチン接種後の副反応発生のメカニズムを被接種者の免疫遺伝学的立場からさらに検討した。実験では前年度示唆されたマウスのHー2 haplotypeと百日咳菌に対する感染性・免疫応答性との関連性を検討することにより、ヒトMHCに着目した免疫遺伝学的立場から検討する為の基礎資料を得た。主要感染防御抗原を含まないB.pertussis mutantを用いた感染防御実験により、菌体成分に対する反応性を調べ、ついでHー2 haplotypeの異なるマウスに対する感染実験により、strainによる感受性差を調べた。その結果、PT(ー)mutant,FHA(ー)mutantの能動免疫系では良い感染防御能が賦与されないこと、B.pertussis感染に対するマウスの系統差は、感染後のマウスの変化・抗体産生能を指標としてみた所、strainによる差異があることが示唆された。すなわち感受性はHー2 haplotypeとの関連で見ると、Hー2^d>Hー2^q>Hー2^k>Hー2^bのようになった。しかし、congenic strainであるB10・D2系マウスに対する感染実験結果(現在追試中)からすると、必ずしも感受性差はマウスHー2 haplotypeときれいな関連を示さないようである。近年骨髄移植が盛んになったが、いずれ、HLAタイプがデ-タバンクとして整ってきた時に、本研究が予防接種副反応防止の面から重要な意味を持つようになると思われる。今後、更に接種後の副反応発生時の実際のデ-タとの関連を、臨床疫学的につめていく必要があろう。さらに本研究は、他のワクチン接種後の副反応を解明する際の一つの指針となり得るものと思われる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 織田 正昭: "ダウン症候群と水痘感染" 小児内科. 21(2). 99-102 (1989)
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[Publications] 織田 正昭: "免疫の遺伝学" 保健の科学. 31(1). 23-27 (1989)
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[Publications] 織田 正昭: "母胎の感染による先天異常" 小児看護. 12(12). 1657-1665 (1989)
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[Publications] ODA,M.et al.: "Mouse protection test using B.pertussis mutant" Infection and Immunity.
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[Publications] ODA,M.et al.;: "Diagnosis of B.pertussis infection by polymerase chain reaction" Infection and Immunity.
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[Publications] ODA,M.et al.: "Possible involvement of HLA in the side reaction after pertussis vaccination" Immunogenetics.