1991 Fiscal Year Annual Research Report
B型肝炎における肝細胞壊死発生機序に関する基礎的・臨床的研究
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01570396
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
辻 孝夫 岡山大学, 医学部, 教授 (80033306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 和秀 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (90140491)
戸部 和夫 岡山大学, 保健管理センター, 教授 (60135978)
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Keywords | B型肝炎 / 細胞接着因子 / 肝細胞壊死の機序 / ICAMー1 / LFAー1 |
Research Abstract |
B型慢性肝炎の細胞壊死に関する接着因子の検討 B型慢性肝炎における肝細胞壊死の機序に関し、cytotoxic T lymphocyte(CTL)を中心とした細胞性免疫応答が重要であることが報告されている。最近、CTLと抗原提示細胞や標的細胞の接触に種々の細胞接着因子が重要であることが示唆されている。そこでB型慢性肝炎肝組織におけるintercellular adhesion moleculeー1(ICAMー1)とlymphocyte associated antigenー1(LFAー1)の発現を免疫組織学的に検討した。 1)肝組織中のpiecemeal necrosisやfocal necrosisに浸潤しているリンパ球はCD4ーCD8+CD15ーでありCTLと考えられた。 2)これらのリンパ球にはLFAー1が発現されており、また活性化リンパ球の指標であるCD28およびHLAーDRが陽性であった。 3)ICAMー1はおもに肝細胞膜に発現を認め、piecemeal necrosisやfocal necrosisに限局して認められる症例とび慢性に発現が認められる症例があった。 4)ICAMー1が発現している肝細胞の周辺にはLFAー1陽性のリンパ球が浸潤していた。 5)肝細胞におけるICAMー1の発現とHLA class 1の発現はほぼ一致するする傾向が認められたが、一部の肝細胞ではHLA class 1のみ発現が認められた。 6)ICANー1がび慢性に発現されている症例では限局性に発現されている症例に比べ肝組織中および血清中のHBVのウイルス量が少ない傾向を認めた。 以上のことからB型漫性肝炎におけるウイルスの排除に細胞接着因子が重要であることが示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 吉岡 敏文,他: "肝類洞壁細胞における化学修降アルブミソの動態" 肝類洞壁細胞研究の進歩. 3. 88-91 (1990)
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[Publications] Toshio Ito,et al.: "Long term intermittent administration of interferon I'm patients with lromi nonーA,nonーB hepatitis" Gastroenterologin Japonica. 26. 187-193 (1991)
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[Publications] Hajime Hada,et al: "Seguenes Variations in the Envelope Pratain of the Heprtitis C Virus:Comparison with Partial cDNA Segunce of a New Variant Virus Obtained by the Polymures Chain keaction" Acta Med Okayama. 45. 347-355 (1991)
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[Publications] 山田 剛太郎,辻 孝夫: "C型肝炎の病理像の特微" 内科. 67. 860-866 (1991)
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[Publications] Yoshioka T et al: "Frontiers of mucosal imnunology" M.Tsuchiya et al, 660 (1991)