1990 Fiscal Year Annual Research Report
担癌患者の未梢血に見いだされた血栓誘発因子の生化学的性質の解析と定量測定法の確立
Project/Area Number |
01570430
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
矢川 克郎 九州大学, 医学部, 講師 (90183665)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 真一郎 九州大学, 医学部, 助手 (50211488)
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Keywords | 血栓誘発因子 / 組織トロンギプラスチン / 肺癌 / 凝固因子 |
Research Abstract |
本年度の研究目的として、我々はTIAに対するモノクロ-ナル抗体の作成、更にそれを利用してのTIAの精製及びELISA法の確立を目指した。先ず、今までの研究経過から、TIAは癌細胞により産生される物質であろうと類推し四種類の人癌細胞株をモルモットに免疫した。得られた抗血清のうち二種類(抗QG56及びQG95胞癌細胞株)がTIAに対する中和活性を示した。この結果より、この両細胞株はTIA抗原を有していると判断した。そこで、QG56細胞株を抗原として用いマウスに免疫し抗QG56モノクロ-ナル抗体産生触合株を作成した。これらの融合株より産生されたモノクロ-ナル抗体約700種類のうちTIAに対し中和活性を示す抗体を選択し三個を得ることが出来た。これら三個の抗体のクラスはすべてIgMであり精製することが非常に困難でありELISAには利用しにくかったが、下記のような工夫をしてTIAの定量をするめどがついた。その方法を簡単に記載すると、先ず、抗マウスIgM山羊抗体をsolidーphaseに固定させそれに抗TIA抗体を結合させる。この抗体にTIAを反応させ、結合したTIAに対し更にサンドイッチ方式で抗TIA抗体を反応させる。ここで結合した抗体量を酵素抗体法で測定する事によりTIA量を比較定量することが出来る。この方法を用いることにより癌細胞株より産生されたTIAをほぼ定量測定しうることが判った。現在、この測定法の感度をさらに上げて人未梢血中のTIA量を測定し得るべく検索中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Nakanishi M.: "Plasma ThrombosisーInducing Activity in 120 Patients with Primary Lung Cancer" Oncology.
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[Publications] Ichinose Y.: "Appearance of ThrombosisーInducing Activity in the Plasma of Patients Undergoing Pulmonary Reseetion" Chest.
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[Publications] Hayashi S.: "Hypercoagulopaty Induced by Chemotherapy in a Patient with Lung Caneer:A Possible Role for a Factor with ThrombosisーInducing Activity(TIA)." Chest.