1989 Fiscal Year Annual Research Report
高血圧に伴う動脈硬化におけるproto-oncogene発現の機序と抑制
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01570502
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
金山 良春 大阪市立大学, 医学部, 講師 (60106341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根来 伸夫 大阪市立大学, 医学部, 助手 (80180701)
岡村 幹夫 大阪市立大学, 医学部, 助手 (90169144)
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Keywords | c-myc癌現遺伝子 / 高血圧自然発症ラット / 血管平滑筋細胞 / 血小板由来成長因子 / アレギオテンシンII / エンドセリン / Ca拮抗薬 |
Research Abstract |
高血圧自然発症ラット(SHR)の大動脈由来の培養血管平滑筋(VSMC)を用いて、血清、(20%)血小板由来成長因子(PDGF)、上皮由来成長因子(EGF)アンギオテンシンII(AII)、エンドセリン(ET)を添加した場合のc-myc RNAの発現をc-myc cDNAのエクソンIIIをプロ-ブとしてノザ-ンブロットにより検出し、コントロ-ルであるWKYラットのVSMCにおけるc-myc RNAの発現と比較した。静止期VSMCのc-mycの発現はSHR.WKYいづれにおいても微弱であったが、血清、PDGF、AII、ET刺激により3〜8倍増加した。この増加の程度はSHRにおいてWKYに比して有意に(2〜3倍)増強していた。またc-fos遺伝子についても同様の検討を行いc-mycと同様の結果を得た。コントロ-ルとしてβ-actmのmRNAの発現を検討したが刺激前後に差は認められなかった。[^3H]thymidineのDNAへの取り込みを検討した所SHRのVSMCにおいてWKYに比し刺激後の[^3H]thymidineの取り込み率はSHRにおいて有意に亢進していた。これらの結果は、SHRのVSMCは血清、PDGF、ETなどの刺激に対する増殖反応が亢進しており、この亢進にc-myc癌原遺伝子の現増強が関与している可能性が示された。血清やET刺激時にNifedipine、Dltiujemは3×10^<-5>M濃度でc-mycの発現および[^3H]thymidineの取り込み率の亢進を有意に低下させることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Negoro N.,Kanayama Y.,Inariba H.,Okamura M.,Inoue T.,Takeda T.,: "Endothelim modulated c-myc proto-oncogene expressionin cultured aotic smooth muscle cells from spontaneously hypertensive rats." Hypertension. 14. 340-341 (1989)
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[Publications] 根来伸夫,金山良春,高折和夫,藤澤美好,岡村幹夫,井上隆智,稲荷場ひろみ,武田忠直: "高血圧自然発症ラット由来血管平滑筋細胞における癌原遺伝子発現の塩酸ブナゾシンによる抑制" 医学のあゆみ. 149. 721-722 (1989)
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[Publications] 根来伸夫,稲荷場ひろみ,美並真由美,高折和夫,井上隆智,金山良春,武田忠直: "Ca拮抗薬による血管平滑筋細胞のc-myc癌原遺伝子発現の抑制" 薬理と治療. 17. 177-178 (1989)