1991 Fiscal Year Annual Research Report
概日性リズムおよび超日性リズムより見た視床下部下垂体機能の発達生理学的研究
Project/Area Number |
01570511
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Research Institution | Asahikwa Medical College |
Principal Investigator |
奥野 晃正 旭川医科大学, 医学部, 教授 (10000960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沖 潤一 旭川医科大学, 医学部, 助手 (60152401)
東 寛 旭川医科大学, 医学部, 助手 (00167909)
矢野 公一 旭川医科大学, 医学部, 助手 (60182383)
岡 隆治 旭川医科大学, 医学部, 講師 (40113724)
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Keywords | 概日リズム / 縮日リズム / 長日リズム / 成長ホルモン / 性腺刺激ホルモン / 170Hプロゲステロン / 成長速度 |
Research Abstract |
平成元年度および2年度に引き続き体質性低身長、成長ホルモン欠損症、タ-ナ-症候群および先天性副腎過形成患者の成長ホルモン、性腺刺激ホルモンおよびテストステロンの分泌リズムを中心に検討し、さらに未熟児・新生児の体重増加についても検討した。 1.成長ホルモン:約3時間周期の超日(縮日)リズムをもつ間欠的分泌で構成されている。この分泌リズムは成長ホルモン欠損症でも保持され、成長ホルモン分泌不全は間欠的分泌の振幅の提下によるものであることが明らかになった。間欠的分泌が障害されるのは、分娩障害あるいは脳腫瘍による複合型下垂体機能障害に限られていた。思春期年齢に達したタ-ナ-症候群では夜間の上昇が認められず、これが思春期の成長促進現象の欠如の一因になっていると解釈された。 2.テストステロン分泌リズム:昼間に低く、深夜に上昇する概日リズムが幼児期から認められる。テストステロンの上昇する時刻は、性腺刺激ホルモンの上昇する時刻よりも数時間の遅れを示す。さらに、性腺刺激ホルモンに認められるような明瞭な縮日リズムはない。この違いは、性腺が性腺刺激ホルモンに反応するために要する時間のずれとテストステロンの代謝速度によると考えられるが、さらに検討を要する。 3.先天性副腎過形成の170Hプロゲステロン:思春期前の患者では、ヒドロコルチゾン投与量を体表面積1平方メ-トル当り20〜25mg/日にすると投与法の如何にかかわらず、170Hプロゲステロンは全例が良好にコントロ-ルされていた。これに対し、思春期に入った患者では、充分量のヒドロコルチゾンを投与するだけでは、早朝に上昇を抑制することは困難であり、治療の個別化が必要である。 4.未熟児・新生児の成長リズム:入院中の未熟児および異常のない成熟新生児を対象に高感度体重計により毎日体重を測定し、体重増加速度には約11日周期の長日リズムがあり、これは栄養摂取量、保育手技とは独立した固有のリズムであることを知った。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 矢野 公一,他: "性早熟症の診断と治療の最近の進歩" 小児科診療. 52. 1480-1489 (1989)
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[Publications] 奥野 晃正,他: "生体活動の周期性とホルモン分泌の周期性" 日本小児科学会雑誌. 95. 1905-1908 (1991)
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[Publications] Suzuki Naoki,et al: "Growth retardation and growth hormone secretory capacities in mitochondrial disease:studies in 3 patients" proceedings“The 4th Meeting of the Research Society for Growth Disturbance in Children. 71-76 (1991)
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[Publications] DaoーHua Zhang,et al: "Growth hormone Secretorly status in patients with Turner syndrome" Acta paediatrica Japonica. 34. (1992)
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[Publications] 三田村 亮,他: "思春期にみられる身長増加促進とIGFーI.性ステロイドとの関係" 日本小児科学会雑誌. 95. (1992)