1989 Fiscal Year Annual Research Report
胆道閉鎖症の病因としてのレオ3型ウイルス-免疫組織化学および分子生物学的研究
Project/Area Number |
01570546
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
松井 陽 自治医科大学, 医学部, 助教授 (00159146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜野 雄二 自治医科大学, 医学部, 講師
笠野 保夫 自治医科大学, 医学部, 助手 (70204360)
田中 利典 自治医科大学, 医学部, 講師 (30146154)
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Keywords | 胆道閉鎖症 / レオ3型ウイルス / ノ-ザン・ブロット法 / ライソゾ-ム |
Research Abstract |
本研究の目的は第1にヒトの胆道閉鎖症生検肝組織において、レオ3型ウイルスのRNAが存在することを免疫組織化学、免疫電顕およびノ-ザン・ブロット法によって証明することであった。これについては13名の本症患児全例でレオ3型ウイルスの抗原が免疫組織化学的に陽性であり、うち1例で免疫電顕を行ったところ上記の陽性部位はライソゾ-ム様の空胞であることが確認された。さらに6例の本症肝組織からRNAを抽出し、^<35>Pでラベルしたレオ3型ウイルスプロ-ブを用いてノ-ザン・ブロット法を行った。この結果、全例でレオ3型ウイルスのRNAが検出された。以上から我々の検索した胆道閉鎖症の患児がレオ3型ウイルスに感染していたことは確実であると考えられた。 本研究の第2の目的は、レオ3型ウイルスを幼弱な実験動物に接種することにより、ヒトの胆道閉寒症と同一の病態を作成できるか否かを明らかにすることであった。このことはまた、レオ3型ウイルスが胆管を閉寒させる病態生理を明らかにするものと考えられる。平成元年の12月からこの動物実験に取り掛かっているが、現在まだ予備実験を行っている段階で結果は得られていない。 平成2年度においては、第1の目的についてレオ3型ウイルスの抗原陽性部位がライソゾ-ムであることを酸性フォスファタ-ゼ染色で確認すること、第2の目的については動物実験モデルを完成して胆管閉寒の機序を明らかにすることで、研究を完成させたいと考えている。
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Research Products
(1 results)