1989 Fiscal Year Annual Research Report
小線源治療の最適化に関する研究 容積・線量関係と生物学的因子
Project/Area Number |
01570584
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
堀内 淳一 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (90013870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹田 正宗 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (30014244)
松本 悟 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (10209629)
渋谷 均 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (10014292)
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Keywords | 小線源治療 / 線量分布解析 / Ir-192線源 / 容積・線量関係 / 放射線治療 |
Research Abstract |
密封小線源イリジウム(Ir)が治療効果は同一でもラジウム(Ra)に比し障害が多い原因を解明するために、両者の線量分布の差が腫瘍の制御と晩発性障害にどのように働いているか、治療容積、線量・時間関係などの臨床パラメ-タ-から解析を行った。口腔領域癌を対象としてその治癒療結果から治療例、不成功率、後障害を伴って治癒療した例に3分して2種類の線源による線量分布を比較した。個々の症例の容積・線量関係はパ-ソナルコンピュ-タ-を用いてヒストリグラムを作製し、これより得られる平均線量、最頻線量、歪み、尖り、累積容積率などを基本として線量分布の違いについて検討した。これまでに得られた結果として、両線源の間に見られる主な相違点は最頻線量を中心とした容積の集中度の差である。Irの容積線量ヒストリグラムはRaに比し最頻線量への容積集中度が高くなる傾向があり、全体として尖ったピ-クを示していた。このようなヒストリグラムの形状の変化は累積容積率にも表れていて高線量域の累積容積率はIrの方が低い一方、標準的とされる線量域では逆にRaの方が低い傾向がみられた。Ir線源はその刺入手技の違いからRaに比し線源配置が均等化し易く、腫瘍の制御不成功に関する要因が手技上の問題にあるとするとむしろIrの適用に期待できる点も多い。事実、症例数は限られているが局所制御率はIrの場合、Raよりも若干改善している。ただし、粘膜腫瘍など後障害が増加しており、これら障害併発例についての線量分布解析からその特徴となる因子が固定され得れば治癒率の向上のみならず障害の軽減が得られることになるので、次年度において引き続き研究を続行し、Ir線源治療の最適化に必要な臨床的パラメ-タの分析を行う予定である。
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