1989 Fiscal Year Annual Research Report
膵疾患に対する新しい核医学診断法の基礎的・臨床的研究
Project/Area Number |
01570589
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
間賀田 泰寛 京都大学, 医学部, 助手 (20209399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米倉 義晴 京都大学, 医学部, 講師 (60135572)
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Keywords | 膵臓 / 核医学 / 膵癌 / 膵炎 / ポジトロン断層法 |
Research Abstract |
膵疾患の診断に有用な新しい核医学検査法の開発を目的として、本年度は陽電子放出核種を用いるポジトロン断層法(PET)の有用性について検討した。血流量の指標として、酸素15標識水を静脈内に投与、4.5秒毎の連続PET像から組織血流量を示す機能画像を作成した。アミノ酸摂取の評価を目的として、炭素11標識メチオニンを投与、膵における摂取画像を求めた。また、糖代謝の指標として、グルコ-スの類似化合物であるフッ素18標識フルオロデオキシグルコ-ス(FDG)を投与、直後および1時間後のPET像を撮像した。血流量およびメチオニンの取り込みは、慢性膵炎および膵癌のいずれでも低下し、また膵癌にともなう随伴性膵炎でも低下していた。これに対して、糖代謝の指標であるFDGの取り込みは、膵癌ではきわめて高く、慢性膵炎や正常膵組織における取り込みは低く、癌組織における特異的な代謝の状態が明らかにされた。 一方、同様の評価を日常の核医学臨床検査として施行するためには、ヨ-ド123やテクネチウム99mによる新しい標識化合物の開発が鍵となるが、現在までに血流トレ-サ-として期待できるヨ-ド標識化合物(HIPDM)およびアミノ酸の手がかりを得ている。これらの化合物が目的とする挙動を示すかどうかについては今後の検討が必要と考えられた。さらに、その挙動にもとづいたモデル化とその解析法の開発に課題が残された。
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