1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01570597
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Research Institution | KANSAI MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
田中 敬正 関西医科大学, 医学部, 教授 (40131445)
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Keywords | 熱感受性 / MRS / グルコ-ス / 腫瘍内pH |
Research Abstract |
目的:グルコ-ス投与で腫瘍組織内のpHを低下させ、温熱の抗腫瘍効果増強がなされている。このグルコ-ス投与による腫瘍組織内pHの低下をマウス実験腫瘍(FM3A:乳癌由来)を用いて測定した。方法:pHの測定には ^<31>PーMRSと微小ガラス電極を用いた。この2つの測定方法で対象群(control)とグルコ-ス(6g/kg)腹腔内投与後の腫瘍組織内pHの経時的変化を測定した。使用したNMR装置はGE社製CSI spectrometer(4.7T)である。 ^<31>PーMRSによるpH測定はクレアチンリン酸(Pcr)ピ-クと無機リン酸(Pi)ピ-クのケミカルシフト(chemical shift)から求めた。微小電極は直径40μmの組織刺入型ガラス電極である。結果:グルコ-ス投与後腫瘍組織は微小電極法では0.3pH unitの低下を認めたが、MRSの測定では有意な低下を認めなかった。この事は ^<31>PーMRSではPiの局在から細胞内pH(intracellular pH:pHi)を示し、微小ガラス電極は組織間質即ち細胞外pH(extracellular pH:pHe)を示すと考えられた。またpHeの0.3pH unitの低下では細胞の緩衝作用のためpHi値の恒常性が維持されると考えられ、pH値の低下による抗腫瘍増強はpHiでなくpHeの低下で起こる事がわかった。
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