1990 Fiscal Year Annual Research Report
運動麻痺後の回復過程における中枢神経系の役割について
Project/Area Number |
01570805
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
下山 一郎 浜松医科大学, 医学部, 講師 (60115483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 正子 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (00010033)
森田 之大 浜松医科大学, 医学部, 教授 (80034164)
植村 研一 浜松医科大学, 医学部, 教授 (60009561)
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Keywords | 2ーDG / オ-トラジオグラフィ- / 錐体路 / 運動麻痺 / 機能回復 / 猫 / 延髄錐体路 |
Research Abstract |
直接機械的に延髄錐体路を切除した運動麻痺モデルの猫を用いて、運動麻院急性期の中枢神経系のグルコ-ス代謝を検討し、機能回復のメカニズム解析を試みた。グルコ-ス代謝測定法は、Sokoloffら(1977)の2ーDG法に準じたオ-トラジオグラフィ-法を用いた。 実験動物は2.5Kg前後の成猫を用いた。ペントバルビタ-ル腹腔内麻痺で、腹側より斜台を削り、硬膜を切開し橋延髄移行部を露出する。直視下でなるべく血管損傷を避け、延髄錐体路を約1mmにわたり切除吸引除去する。2〜3日の回復後、猫は座位・歩行は出来るが、切除反対側の前趾には著明な変化が観察された。即ち、前年度より使用していた『エサ取り出し検査器』は全く使用できず、飼育ケ-ジのす^^・の^^・こ^^・の間より踏みはずす事が多く観察された。又、リノリュ-ムの床の上に立つと、切除反対側前趾の微細なコントロ-ルが悪く、重心をわづかに移動させても立ち直りが出来ず、伸展位(もとの着地点にとどまったままの状態で)となり、全体的に前方に倒れかかった体位となり矯正出来ない。この状態は1〜2ヶ月は観察され徐々に改善されるが、完全に元の良い状態には戻らない。 今年度は、延髄錐体路を切除後1週の麻痺急性期と、切除後8週以上経過した麻痺慢性期のオ-トラジオグラフィ-を行った(行っている。) 現時点では、急性期例のグルコ-ス代謝の定性的結果のみであるが、障害反対側の視床VP核・障害同側の赤核・障害同側の下部頚髄前角に低下が示唆された。 現在フィルム上の組織の黒化度と基準スケ-ルから、グルコ-ス代謝率を定量的に解析しています。又、慢性期例のグルコ-ス代謝の測定も予定しています。
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Research Products
(1 results)