1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01570844
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
平澤 泰介 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (40079851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝見 泰和 明治鍼灸大学, 鍼灸学部, 教授 (20161086)
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Keywords | シュワン細胞 / 神経栄養因子 / 褐色細胞腫PC12 / 網膜 / 後根神経節 / 神経成長因子 |
Research Abstract |
シュワン細胞は神経再生、修復過程において重要な役割を果たしていることが良く知られている。しかし、その選択的純粋培養を行うことは困難とされ、樹立株化細胞の報告も少ない。これらのことは神経の再生、修復過程の解明において大きな障害となっている。我々はラット(R)とマウス(Mu)の後根神経節(DRG)と坐骨神経(SN)より得たシュワン細胞に対して、src,mos,rasの3種類の癌遺伝子を組み込んだレトロウイルスベクタ-を用いて遺伝子導入を行い、6種類の細胞株Mu DRGーras,Mu DRGーsrc,Mu DRGーmos,Mu SNーsrc,RSNーsrc,RSNーmosを得た。これらの細胞株はいずれもSー100蛋白とラミニンを発現し、ファイブロネクチンとヴィメンチンを発現していなかった。この細胞株中でRSNーmosは混合培養系においてラット胎児後根神経節と網膜の器官培養に対して生存維持効果と神経突起伸展効果を示した。また、RSNーmosの無血清蛋白培養上清も同様に、ラット後根神経節と網膜器官培養に対して生存維持効果と神経突起伸展効果を示した。この培養上清はラット褐色細胞腫PC12に対しても神経突起の伸展作用を認めるほかに、神経ペプチド発現誘導作用を認めた。これらの作用は抗神経成長因子抗体と抗ラミニン抗体により阻害されず、poly Lーlysinにも吸着されなかった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 勝見 泰和: "腫瘍遺伝子導入による樹立化シュワン細胞について" 日本手の外科学会誌. 7(5). 849-855 (1991)
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[Publications] 人見 智: "シュワン細胞株由来培養上清によるラット褐色細胞腫PC12の分化" 日本手の外科学会誌. 8(1). 56-59 (1991)
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[Publications] 人見 智: "シュワン細胞株による後根神経節と網膜に対する神経栄養効果" 神経組織の成長.再生.移植論文集. 3(1). 58-59 (1991)